第四章
[8]前話 [2]次話
「そう思えます」
「そうなの」
「先輩のその雰囲気で。誰からか声をかけられるかって思うかといいますと」
実際にこのことは心配していた、今日は。
だがそうした声が千花にはかけられずだ。逆に千花の穏やかで優しい雰囲気を受けてそれでだったのだ。
「全く違いまして」
「それでなのね」
「一緒にいられて」
「それでなのね」
「平和にです」
その様にというのだ。
「思えますので」
「そうなのね」
「こうした時っていいですね、私いつも緊張してるって言われますけれど」
「そうね、神楽ちゃんってね」
千花はシェイク、神楽も飲んでいるそれをゆっくりと飲みながら答えた。
「生真面目だけれど」
「いつもですね」
「気が張ってるから」
千花が見てもというのだ。
「疲れない?って思うの」
「そうですね、ですから」
「今はなのね」
「凄く穏やかな」
そうした気持ちでいられてというのだ。
「嬉しいです」
「そうなのね」
「今日はいい日ですね、お天気もいいし」
「もう夏でね」
「京都の夏は暑いですが」
盆地の特徴だ、夏はとにかく暑く冬は底冷えするのだ。それが京都の気候の特徴である。
「ですが今日は」
「程よい暑さでね」
「日差しも程よくて」
「いい日よね」
「はい、そのこともあって」
それでというのだ。
「今日はいい日ですね」
「そうよね」
「こうした日はもっと楽しみたいですね」
「そうした日ってあるよね」
「それが今日ですね」
こうした話をハンバーガーを食べながら話をした、それからも二人で楽しく歩いて喫茶店に入って紅茶を飲んだりしてだった。
二人で穏やかな楽しい時間を過ごした、その最後に。
夕方別れる時にだ、神楽は千花に微笑んで話した。
「またよかったら」
「私と?」
「一緒にこうしてくれますか」
「いいよ」
千花は神楽に微笑んで答えた。
「私も凄く楽しかったし」
「それでは」
「またね」
五条の橋のところで言うのだった、夕方の橋の辺りは赤く照らされていて川も今は会は赤く見える。行き交う人達の影も長くなっている。楽しい一日もゆっくりであるが終わりに近付いているのを知らせる赤だった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ