第二章
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「結婚したのだが」
「あれやな」
ここでだ、ベッシーは村長の顔に苦いものが走ったのを見て彼に言った。
「恋敵がおったな」
「私の友人だった」
その苦い顔でだ、村長はベッシーに語った。
「村の優れた薬剤師だった、彼も共に妻を見てだ」
「好きになったんやな」
「そうなった、そして私達は妻を射止める為にだ」
まさにその為にというのだ。
「あらゆる勝負をした、二人共必死にあらゆる勝負をしたが」
「村長さんが勝ったか」
「神々が選んでくれたと思った」
それも心からというのだ。
「そして私は妻を得て彼は去ったのだ」
「あんた達の前から」
「村をな、そして今はガオでな」
「暮らしてるんやな」
「そう聞いている」
「そやねんな」
「だが妻がな」
今度は悲しい顔になってだ、ベッシーとニャメに話した。
「近頃身体を崩し街の医者に見せてもな」
「わからんか」
「そうだ、だが私のかつての友人である」
「恋敵の人はか」
「彼は優れた薬剤師だ、おそらくマリで一番の」
そこまでの者だというのだ。
「だからな」
「その人の力を借りたいか」
「そうだ、しかし私は彼に酷いことをした」
村長は俯いてベッシーに話した。
「彼も妻を愛していたのだからな」
「けどそれは」
「正々堂々とした勝負の結果か」
「そうちゃうんか」
「誓って言う、私は彼とのあらゆる勝負で卑怯なことはしてへん」
「後ろめたいことはないな」
「決してな」
このことは誓って言うのだった。
「それはわかってくれ」
「それはわかるわ」
「私にもな」
ベッシーだけでなくニャメも村長に話した。
「わかるわ」
「村長さんはそんな人やない」
ベッシーは村長自身に言い切った。
「絶対に」
「正々堂々とした真面目な人や」
「そして誠実な人でもある」
「そうした人やから」
「卑怯なことはしてへん」
「その時もな」
「そのことは誓っていう、だが」
それでもとだ、村長は言うのだった。
「私は彼に酷いことをした」
「奥さんと結婚したこと自体がか」
「そうだ、だからだ」
「奥さんのことでか」
「彼しか心当たりがないが」
それでもというのだ。
「頼むのはあまりにも図々しい」
「そう思っているんやな」
「優れた医者や薬剤師も探しているが」
「見付からんか」
「どうもな、マリで妻を救えるとすれば」
その心当たりはというのだ。
「彼しかいない」
「ちょっと待ってや」
ここでだった、ベッシーは。
自分の占いをはじめた、ここでの占いはアフリカのある部族の占いの中で迅速に行えるものだった。
それが終わってからだ、村長に話した。
「やっぱりな、奥さんを救える人は」
「彼だけか」
「あんたの友達で
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