天空のアビス
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ばいいし。
しかし……本隊はこれで良いが、外の陽動が戦力的に心許ない。いや、アウターヘブン社の兵士は皆屈強かつタフだけど、エナジー使いじゃないからアンデッドを倒せない。防御なら彼らだけで長時間持つが、攻撃だけは私の力がどうしても必要になるだろう。他にエナジー使いがいれば話は変わるのだが……いない以上は仕方ない。
シオン? あぁ、彼女は前線に出せない。このシェルターの最終防衛担当だからね。それに避難してきた市民の心の防波堤でもある以上、市民の見える所からシオンを引き離せば民心が離れる。それは今後の活動において都合が悪い。
「ところでシオン、ラーン商店街が聖王教会より濃い黄色に染まってるのは……」
「言わなくてもわかるだろう……」
「あ、うん……。じゃあそれは置いとくとして……ダンジョンの場所はどうやって見つけたの?」
「今朝のシャロンの歌がギジタイの次元断層と干渉して反応が出た場所だよ。動力源なのか増幅装置なのか、何があるのかまではわからなかったのだがね」
「逆に言えば、確実に何かがある場所ってことになる。別にいいんじゃないの? わかりやすいターゲットがあるって意味では」
というか私の歌、何気にデカい影響与えてたんだね。この事を周りが知ったらうるさくなりそうだ、例えば管理局とか、管理局とか、管理局とか。
『なんで3回も言ったんですか……』
強調の意味も込めて。
「ん、ついでに聖王教会もだけど」
「そうそう、ケイオスが言った通り、実は聖王教会のカリムから面会の要請が届いたんだ」
「あぁ、多分私かケイオスの件だろうね。あちらさんからしたら、絶対に目を背けられない事柄だ。管理局みたく、どうあっても監視下に置こうと画策してるに違いないから、この誘いは確実に罠だ」
「じゃあ無視するかい? それとも拒否の返信ぐらいはしておく?」
う〜ん、無視した場合はメールが来たことを知らなかった感でごまかせるだろう。要は既読を付けたくないというアレだ。一方で返信したらメールに気づいてることになり、行ったら行ったでトラップ間違いなしだし、行かなかったら行かなかったで後に相手の立場が有利になるかもしれないが、よく考えれば今の聖王教会はほとんど形骸化している。そもそも私達に対しあちらが強制的な権利を持ってる訳でもない以上、従う道理が無い。だったら……ちゃんと拒否しよう。
「色々やることもあるし、拒否でお願い」
「了解した。私も正直、行った所で無駄になるだけだと思ってるからね」
「どうせ面会するなら管理局や聖王教会なんかより、むしろ公爵デュマとしてみたい。一方的に押し付けてくる連中と違って、身のある話が出来そうだもの」
「公爵と話、か……。そういや先日
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