天空のアビス
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シャロン・クレケンスルーナだけど……」
「シャロン……シャロンさんかぁ〜……素敵な名前ですね」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、何も出ないよ?」
「い、いえ……その……」
「まあいいや。褒めてくれてありがとね」
お礼を言ってミウラちゃんの頭を撫でると、ミウラちゃんは頬がほんのり紅潮しながら俯いていた。おぉ、なんだかクロちゃんを彷彿とさせるもふもふだな、この子の髪。
「ん?」
何故だろう、ケイオスはいつも通りだけど隣にいたシオンの目が妙に微笑ましいものを見る目になっていた。和やかな雰囲気になったけど、これじゃあ話が進まなくなるので一旦仕切り直しの意味も含めて咳払いする。
「こほん……とにかく! 守備用の仕込みは終わったから、今日また襲撃があったとしても昨日みたくシェルター前まで占領される事態にはもうならない。でも頭上を取られてる以上、籠城戦みたく守勢に入ったらむしろジリ貧だ。だから出来るだけ早く敵の重要拠点を制圧するべきだと考えてる」
「ん、襲撃後も残った敵は居場所に問題があれば片付けるけど、この状況を脱するためにはとにかく攻め込むぞという姿勢が大事だ。兵糧の問題もあるし」
地球で例えるなら韓国と外国、これをミッドと管理世界で言い換えればわかりやすい。この科学が支配する世界を兵糧攻めするとは公爵も考えたなぁ、と常々思う。経済の流れが確立したからこそ、弱点が大きくなって浮き彫りになる……か。
「敵の拠点はさっきレーダーマップに反映させておいたよ。では一同ご覧あれ」
シオンがそう言って司令室の大画面を操作すると、ミッドチルダのマップが表示された。アウターヘブン社ミッド支部や安全が確保された場所は青く、管理局地上本部や局員が守る場所は緑で、同じように聖王教会は黄色、敵の拠点は赤く点滅されていた。ついでに海上も一部緑になっているが、これは沈没したアースラを指しているのだろう。
しかし……このミッドチルダ北部沖の孤島、ここってマキナが実験体としてアレクトロ社に捕らわれていた場所だ。ここが赤いってことは、敵に前線基地として再利用されたのだろう……全く、何の因果なのやら。あと島と言えばもう一つ、気になる所があった。
「こんな南東の小さい島にどうして緑の点が……?」
「あぁ、そこは“監獄島”って呼ばれている。管理局が確保した犯罪者の隔離施設の一つだよ。要はミッド用の牢屋さ。島の周りは特殊な海流で囲まれていて、海からだと浮いてるだけで入れるが、出ようとするなら軍艦がいる。だからもし逃げようものなら、例えゼストほどの身体能力があろうと為すすべなく海の底に沈む。飛行魔法を使おうにも、拘束具には魔力封印が施されているから使えない。看守が魔法の使用を許可しない限りね。それに、その看守もあま
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