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リリなのinボクらの太陽サーガ
天空のアビス
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付ファイルってこと?」

「ああ。金も支払われていたからな、ちょうどいい小遣い稼ぎになった」

「メールの差出人は?」

「エア、と書かれていた。知り合いか?」

「いや……」

だけどその名には聞き覚えがある。レジアスとオーリスが話していた管理局のAI、『拡張現実の電脳王(AR・IT・TOP)』、通称エア。確か、超大規模情報処理システム『J・D(ジェーン・ドゥ)』と接続して超光速学習を行わせると言っていたが、そのエアが……どうして私に情報を送った?

何にせよモンスター退治に行くのは、この情報を見てからでも良いだろう。再生機器は……、

「ん、ウーニウェルシタースでも再生できるぞ。ここをいじれば、ディスクがセットできるようになる」

ケイオスが鞘についてるボタンを押すと、カシャンとフック状にディスクの土台が出てきた。武器にディスク再生機器を取り付けるとは、これ如何に……。というか、刀は真っ当だが鞘は無駄に多機能だね、このデバイス。トリガー機構は無駄にならないようにしたいところだけど。

じゃ、早速再生してみようか。えっと……これはどうやら音声データのようだ。

『(読み込み音)……今宵、私は歴史的光景を目の当たりにしているのだろう。だが同時に、この歴史は抹消される。これからの時代には不都合だから。世界から自分達の罪を覆い隠すため……いや、自分達が犯した罪が二度と視界に入らないために。不毛の大地を捨て、新たな大地を創造し、生き残った人類をそこに移住させる。まさに神の奇跡と言っても過言ではない行為だ。だが、あれは断じて奇跡などではない。あれは……この星への冒涜行為なのだ』

星への冒涜行為……?

『確かに長きに渡る戦乱により、ベルカの大地は滅びた。もはや再生は見込めないまでに荒廃した。しかし……生き残るために星を破壊するのは、果たして正しいのか? 人類はこれまでも己がエゴのために世界を思い通りに変えてきたが、死の運命に抗うために星を滅ぼすのは、世界の怒りを買うのではないか? 矮小の身である私では判断できない。だからせめてこの記録を残し、後世に尋ねよう。あのバベルの塔の果てに生まれる世界、ミッドチルダに住む者へ……』

ミッドチルダが、バベルの塔の果て……? 星を滅ぼして生まれた?

そこから私は音声データの内容を聞きながら、情報を整理した。ベルカは過去に存在した世界で、イクスやオリヴィエ、クラウス、リインフォースといった存在を生み出した。しかし滅亡して、今では……ん? ちょっと待った!
ベルカって、ニダヴェリールと同じように世界ごと壊れたんだっけ? 確か通説では大規模な次元震に巻き込まれた……とあるが、冷静に考えれば奇妙な点がある。世界の残骸も残らないほどの次元震があったなら、どうしてベルカ関連の
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