天空のアビス
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を出さず見守るだけに徹した方が良いと思います。管理局がシャロンに強硬手段を取ったことで、向こうはピリピリしているので、今のタイミングでちょっかい出したら余計な火種になりかねません。それにギア・バーラーと共に、イクスヴェリアの真実も探りたいので……」
「何ですって? イクスヴェリア?」
やはりベルカの王ということもあり、カリムがイクスヴェリアの名前に反応した。私は海岸に打ち上げられた脱出ポッドの調査内容を伝えると、カリムは複雑な表情を浮かべた。
「冥府の炎王イクスヴェリア……彼女が復活しているとなれば、聖王教会としては保護すべき対象になるのだけれど、正直な話、維持するだけで精一杯なのよね、今の聖王教会」
「むしろラーン商店街のように変な性格の人が増えてきて、真っ当な方向性に戻そうと尽力しているのが現状ですし……」
「いや、あれはあれで真っ当な人達なのよ。単に性格が変なだけで」
あ〜うん、私も何度か行ったことはあるけれど、事あるごとに入信書をねじ込んでくる姿勢には恐怖を通り越して狂気すら覚えた。
「狂気と言えば……フェイトさん。あなたはいつ休んでるんですか? 先程フレスベルグを閉じ込めた棺桶を運んできた時に思ったのですが、確かあなたは日が昇るまで避難民を警護していたはずですが……」
「ぶっちゃけ、徹夜明けです」
「フェイトさん、流石にそれは頑張りすぎなんじゃないかしら? それじゃあ日常生活もままならないわよ?」
「それは……そうですね。まあ、日常生活って言っても、最近は襲撃のせいで徹夜なんてしょっちゅうで、戦いの後に報告書を作らないといけないので家に帰る頃には昼過ぎなんていつもの事ですし、姉さん達は地球にいるので家に帰っても誰一人迎えてくれる人はいないし、眠いし疲れてるしでまともにご飯も喉を通りませんし、ようやく眠れるかと思えばまた襲撃でたたき起こされて……」
「ごめんなさい! そんな体調なのに呼んじゃって本当にごめんなさい!!」
「あはは……正直、死んだ方が楽かもしれないって思い始めてきていますよ……」
「それ末期症状! すぐに休んで!」
「あぁ、フェイトさん。今の話を聞いて罪悪感はありますが、今後の事態に備えて一つ頼みたいことがあります」
「頼みたいことですか、シスターシャッハ?」
「ええ、執務官の権限があるあなたにしか出来ないことです。実はミッドチルダには、ギア・バーラーを製作したエレミアの子孫が今もいます。その子孫を探し出し、可能ならギア・バーラーに関する情報を手に入れて欲しいのです」
「シャッハ、さっきも言ったけどギア・バーラーの悪評は……」
「確かにカリムの言う通り、ギア・バーラーの情報は改ざんされているのかもしれません。しかし事実がどうなのか
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