天空のアビス
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「私、まだ弱いから訓練しないとね。守るとか攻めるとか色々言ったけど、そのためには先に私自身の戦闘の技術も上げないといけないもの」
「文字通り最後の砦みたいなものだしね、シャロンの存在は。腕を鍛えることに反対はしないさ。それでは戦闘訓練だけど、VRでやるのかい?」
「そうする予定だけど、その前に武器の確認と素振りかな」
自分で言うのもなんだけど、兵士としての訓練を受けていない私では銃火器を正しく使えない。サイドアームでハンドガン一丁ぐらいは携帯しておいても良いだろうが、実際にかち合えば必然的にこの民主刀か、新しく受け取ったウーニウェルシタース、あるいは月光魔法で戦うことになるだろう。2年ほど使ってきた民主刀は良いとして、ウーニウェルシタースはちゃんと使って感覚を覚え、手に馴染ませなくてはならない。月光魔法はエナジーのコントロールを練習すれば、最小限の消費で使えるようになる。いっそ別の戦法を身に着けるのもありだ。時間が許すだけ色々試してみよう。
「それじゃあお互い作業もひと段落もしたし、昼過ぎまで自由時間ってことで。ナンバーズの皆にも、戻ってきたらそう言っといてね」
「了解」
シオンに言伝を頼み、私はフーちゃんを抱えて更衣室でジャージに着替えてからトレーニングルームへ向かった。シミュレーター室なら様々なVR訓練もできるし、ダンベルなどの器具もあるので一般的なトレーニングも可能だ。現に……、
「フンッ! フンッ! フンッ!」
現在進行形で筋トレしてる人もいた。な〜んかどこかで見たような……と思ってたら、ケイオス曰く防衛隊長の部下の一人らしい。フロントプレス中の彼は上半身裸で角刈りのすっごい筋肉質の大柄の男で、要はマッチョでマッスルだった。ふと脳内で防衛隊長と並べてみたが、防衛隊長の体格は意外と普通なので、彼の方がガッチリしてて強そうに見えた。
「フッ、フッ、フッ……!」
更にその隣には……栗色の髪の女性がダンベルカールをしていた。
「ん、ジル・ストーラ? ここに来てたんだ」
「知り合い?」
「いや、テレビで見たことがあるだけ。シャロンは知らないだろうけど、彼女はフロンティアジム所属の格闘競技選手で、相手の攻撃に粘り強く耐えてスタミナが切れてきた所で一気に反撃するという戦法を使うが、防御力が足りず押し切られることが多いし、一方で故障が多いことでも有名。どうも体格や頑丈さの方面での才能に恵まれず、その上コーチの意向を無視して過剰にハードトレーニングしてるせいか、コンディションが整ってない試合が多くて勝率は正直に言ってあまり良くない。そのせいでまた練習過多になって……という悪循環に陥ってる。あの様子じゃ、また故障するんじゃない?」
フロンティアジム……? そういやフーちゃんの母親、カザネ
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