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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第23話 機動六課のある休日、総力戦。
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る以上に消耗して、既に汗も出ない。
 
 最悪だ。地上本部で連絡を受けて、慌てて駆けてきたのが仇となった。思ってる以上に私も削れてるし、その分攻撃が通ってない。

「惜しむべきは、出力が安定してたのなら、正規のモノなら……捉えられてましたね、私♪」

 ニコニコと笑うアイツを見て、短刀を握る手に力が入る――いや、持ち直す事しか出来ない。この僅かな攻防で、既に体は限界を迎えていた。視界が白んで来る。酸素が足りない。でも、ここまで保ってくれただけでもありがたい。

 分かっている。

 約2年ぶりに枯渇していた魔力を廻して、身体強化、更には限界を超えた速度に、突撃。同時に、内臓にも恐らく何かしらの損傷があるだろう。痛みに慣れているとはいえ、躰がバラバラになりそうな痛みに目眩がする。
 ちゃんとした出力に、日常から魔力を廻しておけば、こうはならなかったかもしれない。だが、今回は緊急だった。アイツを縛り付けたものを、奪ったやつを捉えられるかもしれないと。
 だけど、実際はこの様だ。

 やつの足元に紫の光を放つ魔法陣が広がる。

「……今の貴方達の情報、全く役に立たなかったわ。でも、かつての貴方たちの情報は大いに役に立った。ありがとう」

「……」

 ここまで言うって事は、間違いなくこいつはもう管理局を見限っている。そして、恐らくスカリエッティともつながっている。

 ――ならば。

「それじゃ、これは頂きましょう」

 懐から札を取り出すと同時に転送させる。
 
 対象は――
 
「……貴様!」

 アイツが――アヤがこちらを睨みつけるが、何を今更。だが、まだ続けるならば。 

『ストップ』

 突如、目の前に時雨が映し出される。それはアイツの前にも表示されている。

『紗雪、アーチェ。これ以上の戦闘は禁じます。下がりなさい』

「……分かった」

 ありがたい。そう告げるってことは。時雨はこちらを補足し、狙いを定めてるという事だ。

「まだ私は!」

 アーチェは悔しそうに、まだ戦えると叫ぶ。
 でも通信越しの時雨に鋭く睨まれ、言葉が続かない。

『そして、アヤ三佐。アナタのそれは明確な反逆行為と見なします。宜しいですね?』

「……ッ、構いません。次会う時は敵ですよ。お互いに。……それにしても」

 ニヤリと、下衆の笑みを浮かべて。
 
「滑稽ですね。老衰した敬愛する先代が選んだ後継者に付いた結果がこれ。
 だから言ったのに、あの時こちらへ来なさいと。だから言ったのに、先を見据えなさいと。
 貴女達の選んだ人は、所詮は人殺し(・・・)。それも子供を――」
 
 そこまで言った瞬間。

 私とアーチェの間の大気が割れたのがわかった。
 
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