第五章
[8]前話
「神の復活を」
「五百年に一度ある」
「実に素晴らしいものです」
感動は言葉にも出ていた、アチェベも自然にそうなっていた。
二人は儀式が終わるとまずはケープタウンに空船で戻った、すると。
クッツェーはアチェベを依頼を終えた祝いにケープタウンにあるレストランに連れて行った、そしてそこで。
サラダと白身魚のフライにビーフシチュー、ローストビーフにジャガイモを煮たものにウイスキーを注文した。デザートはプティングを注文した。
そうして二人で乾杯して飲んで食べて楽しんでいると。
クッツェーの手にあるものが出て来た、それは何かというと。彼の心の中に語り掛けてくる言葉が教えてくれてそれをアチェベに話した。
「ウティホの書ですね」
「神様の書やな」
「はい」
その通りだというのだ。
「それでして」
「それが自分の新しい神具で」
「知力と政治力を上げてくれます」
そうした神具だとだ、クッツェーはビーフシチューを食べつつ話した。
「有り難いことに」
「それはええことやな」
「はい、そして」
言葉は心の中にさらに語り掛けてくる、それをアチェベにさらに話した。
「拙者自身神託を乗り越えて」
「そうしてか」
「はい、全体的に一回り強くなりました」
新たな神具を手に入れたことに加えてというのだ。
「そうもなりました」
「それは何よりやな」
アチェベはクッツェーの今の言葉にローストビーフを食べつつ応えた、見事に焼かれスライスされた肉にかけたオニオンソースも美味い。
「神託を適えたお陰か」
「全て」
「そういうことやな」
「ではですね」
今度はウイスキーを飲みつつだ、クッツェーは言った。
「今は飲んで食べてますが」
「それでもやな」
「それが終われば」
その時はというのだ。
「この世界を救う為に」
「それが僕等のやるべきことやからな」
「この世界で。ですから」
それ故にというのだ。
「飲んで食べた後で」
「そこからやな」
「次の場所に行きましょう」
「そやな、ほなな」
「これから行きましょう」
こう言ってそうしてであった。
クッツェーはまたウイスキーを飲んだ、そのうえでこの店を出た後に次に行く場所を見ていた。その目にはもうその場所がはっきりと見えていた。
フェニックスの卵 完
2019・7・26
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