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ありふれた職業で世界堪能 2
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がら言い訳のようにつぶやいていた。例外は何処にでもあるのだろう。

「とりあえず、夜までは静かにさせてやってくれ。今は頭の中がごちゃごちゃになっているからな。ある程度まとまらずに誰かと話すと黒歴史をつくることになるからな。黒歴史は精算が難しいからな。今だけはそっとしてやってほしい」

そう言って徹は畑仕事に戻ってしまった。興味がなかったり責任感がないわけじゃない。ハジメを、私達を信頼しているんだ。三人なら立ち直れるって。

夕飯にもハジメは来なかったが、徹が別メニューで用意をしていた。野菜くずと少量の塩だけで味付けした薄いスープと焼き締めた黒パン。嫌がらせかと思ったが、日常を思い出させない配慮だそうだ。味覚や嗅覚は思い出に残りやすいから故郷の食材は全面的に取り除いたみたい。香織が作ってくれたシチュー、知らない食材ばかりの中に1つだけ知っているのがあった。嫌いな物だったけど、それでも懐かしいと感じた。なるほど、たしかに今は駄目だ。

香織と一緒にハジメの部屋を覗く。取り乱している様子はない。ただ、部屋の隅に座り込んでいる。あれ、生きてる?あっ、呼吸はしてる。部屋に入って扉を閉める。ゆっくりと近づいてハジメに触ろうとした瞬間、ハジメがドンナーを抜き、香織を押し倒して引き金を引きかける。

「ち、違う、オレは、オレのせいじゃ、違う、オレがなにがなんでいやだ」

錯乱を始めたハジメを香織は抱き寄せて頭を撫でる。

「大丈夫、大丈夫だよハジメ君。ハジメ君の所為じゃない。絶対にハジメ君の所為じゃないよ」

「違う、オレは香織に銃を、こんな、こんなはずじゃあ、どうして」

香織はなんとかハジメをなだめようとしているけど、それじゃあ無理。私は後ろからハジメの首元に噛み付いて血を啜る。しばらくすればハジメの錯乱も収まった。一度離れて二人を起こしてベッドに腰掛ける。

「ユエ?いきなりどうして?」

「ハジメ、ハジメの日常ってどんなの?」

「どんなって、それは、昔みたいに普通にバカみたい笑って、徹の奇行に呆れながらフォローして、退屈に過ごして」

ハジメが言う日常を相槌を返しながら聞いてから投げかける。

「ハジメは一緒にって誘ってくれたけど、私はその日常に居られるの?」

私の質問にハジメがようやく気付く。

「私は、存在自体がハジメの言う日常に属していない。だから、私も一緒だとハジメの言う日常には戻れない。だから、きっとハジメの言う日常とは別の本当の日常があるはず」

「本当の、日常」

「ハジメ、教えて。本当は何を恐れているの?」

「オレが、本当に恐れているもの?」

ハジメの視線がドンナーに注がれる。

「オレは、命の奪い合いが、違う、いつか、簡単に、一般人に、オレたちを殺そうとして
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