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ありふれた職業で世界堪能 2
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筋以外は嫌ってるってことも知らない脳天気な自己中の塊だからな、ざまあみろ」

「大事なことなんだ」

向こうに居た頃は好きじゃない程度だったけど、今はうざいにクラスアップだ。

「それからちょっと驚いた。戦闘職じゃないから、一緒に市井に降りないかって誘われて、それでも微かな希望に縋って城に残ったオレを命がけで助けに来てくれるなんて思ってもみなかった。まあ、香織もそうなんだけど」

「約束もあるけどハジメ君のことが好きだから当然だよ」

「お、おぅ」

未だに香織から向けられる好意が信じられない。信じられないよりは何故という疑問ばかりが先行する。

「……いいなぁ」

本当に小さい声だったが、確かにユエがそうつぶやいた。全てに裏切られて何かをすることすら封じられて、誰も助けに来てくれなかった。もしかしたらあり得たかもしれない自分の姿がダブって見えた。だから助けた。自分も二人に助けられたから、誰かに手を差し伸べたかった。

「……なあユエ、此処から出た後の話だ」

「いや!!何でもするから捨てないで!!」

シチューの皿を投げ捨てて抱きついてくるユエに押し倒されながら唖然とする。ここはお約束どおりに

「ハジメ君?」

香織が光のない瞳でこっちを見ているので巫山戯るのは止めておく。

「別に分かれるつもりはないから落ち着け。むしろ一緒に行かないかって誘おうと思ってな」

「本当?」

「ああ。オレは元の世界に帰れる方法を探す。この世界の危機なんて知ったことじゃない。勝手に連れ去って、選択権がない状態で、向こうの意に沿わなければストレスのはけ口にする。あんな奴らのために戦う気なんてない!!」

「ハジメ君」

「関係ない奴らも居る。だから戦わない。奴らの利益になるようなことは絶対にしない!!」

器が小さいなんて言うやつは同じ目に合わせる。それで再会した時にまだ器が小さいというのなら一考には値する。

「クラスメイトの奴らも信用できない。まだメルド団長の方が信用も信頼も出来る」

「徹君もそう言ってたっけ。ハジメ君の誤射に関して問い詰めていないんだろうって。誰がやったかのあぶり出しは簡単だったって言っているけど」

「檜山の奴だ。はっきりと笑った顔を見ている。わざわざファイヤーボールを練習したみたいだし、突発的とまでは言わないが、隙があれば何時でも殺れる準備はしてたんだろう」

たぶん、香織が原因だ。オレが居なくなれば自分の物に出来るとでも思ったんだろう。天乃川から殺ればいいのに。駄目だな、香織に引かれてたな。幼馴染のくせにその利点を全く活かせてなかったな。あの自己中心型主人公は役に立たないことの方が多い。八重樫、大丈夫かな?あいつが唯一のストッパーだろう。ちょっとだけ便宜
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