ありふれた職業で世界堪能 2
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を動かしてもらって重心を整える。それも少し動く度にずれる上に音がなる。それを難なく熟していた変な所で能力が高い親友に呆れる。拠点に辿り着いたときには、行きよりも短い時間のはずなのにそれ以上に疲れた体を解す羽目になった。こういう時にゲームの袋が欲しくなる。最近は重量制限があったりするけどな。
香織に食事を作ってもらっている間にユエから色々と事情を聞く。昔なら可愛そうだとか理不尽だとか思ったのかもしれないが、今だと脇が甘かったなとしか思えない。だけどそれを口にだすようなこともしない。
「ねぇ、あの人は、その、なんなの?」
「あっ、私も気になる。あんまり話したことがないし、ハジメ君とはよく一緒に居たのは知ってるんだけど」
鍋を持ちながら香織がやってきた。匂いから豆シチューだろうな。シチューの元風豆から作ったそこらの出来合いシチューだが、魔物食よりはうまい。
「食べながらで良いならな」
香織から渡されたシチューをそのままユエに回して焼き締めたパンを鞄から取り出して渡す。
「そうだな、何から話せばいいか。昔から変わり者で有名だったのは香織は知ってるよな」
「まあ、ちょっとずれてるのは有名だったけど。あと、質素に暮らしているけどお金持ちだってのも」
「我が道を行くって感じだけど、実際は結構悩んでたんだよ。中学の時の職業体験、あれでとあるトマト農家の所で世話になったんだよ。まあ、人数の関係で希望が通らなかった奴らが集められたが正解だけどな。その中で唯一希望して行ったのが徹だ」
パンをちぎってシチューに付けて口に放り込む。
「希望が通らずに集められた連中だ。やる気はない。その中で嫌々ながらもそこそこ働いていたオレと生き生きと働いていた徹はまあ、それなりに話したよ。その時にちょっとした好奇心で聞いたんだ。何がそんなに楽しいんだって?その答えがやっぱりずれていて、顔に出たんだろうな。ちょっと迷いながらも不安そうな顔でおかしく見えるかって聞いてきてな。種類は違うけど、似たような覚えがあるから、それをそのまま伝えて、今の自分を変えるつもりはないし、無理に変わる必要はないんじゃないのかってな」
「そこからの付き合いなんだね」
「そうなるな。なんだかんだでお互いの趣味に対してちょっとした勧誘を勧め合う仲だったな。オレも水耕栽培ぐらいはしてたし。徹は現代を舞台にした中途半端にリアルな漫画は嫌ってたけど、それ以外は結構普通に受け入れてくれてたな。恋愛漫画を読んで首を傾げたりしてたな。あと、鈍感系難聴主人公とかは嫌ってたっけ。無責任の塊にしか見えないって。悟空みたいにじゃあ結婚ッスっかってのには呆れながらも好んでたな」
「ああ、それで光輝君に対して攻撃的だったんだ」
「ざまあみろ。あいつの自分勝手さは脳
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