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仗助にもしも双子の姉がいたら?ネタ
青いバラの眠り姫(side:ジョセフ)
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「お…、おぉおお…! こ、これは…!」
「…そういう、“習性”があることは知ってたが…。」
 わしの、わしの娘のベットの周りに赤い茎の青いバラの花が大量に!
「もうしわけありません! 我々がついていながらこのような状況に…。」
「いや、あんた達はよくやっているぜ。」
 承太郎が、病室に入って、青いバラの花を分け入って、眠っているミナミを見おろした。
 ミナミの体には変わらず、半透明の赤い根っこが絡みついておる。
「あれから…、意識は戻っていないのか?」
「はい。かれこれ、すでに1週間、一度も意識が戻っていません。」
「おお…、おぉおおお…。ミナミ…ミナミぃ…。」
 わしゃあ、SPW財団の医師の言葉に涙が止まらんかった。
 ホリィの時と違い、高熱に苦しめられておらんのがせめても救いなのか?
 じゃが、このまま寝たきりでは、いずれ衰弱死する!
 人間とは、眠ったまま生きられない!
 DIOの呪縛と違い、そして今のところこれ以上の害悪をもたらしていない以上、ミナミに残されておる時間はいったいどれくらいなのか…。
 いずれにしても、ミナミは、このままでは長くない!
「泣いてる場合じゃないぜ、ジジイ。」
「承太郎?」
「こっち来て見ろ。」
「? ……っ! これは…!」
「白髪が…。」
 ミナミのブルネットの髪の毛に明らかな不自然な白い色が混じっていたのじゃ。
 吸われているのか!? スタンドに!?
「…最悪、お袋以上に短いかもしれねぇな。」
「承太郎!?」
「ジジイ…、最悪の事だけはボケかけの頭の隅においておけ。」
「何を言っておるんじゃ!!」
「例え、吉良吉影を仕留めたとして…、ミナミの精神が元に戻る確証はないってことだぜ。仗助の話じゃ、それなりに異性として意識していたようだからな。」
「Oh……、ジーザス。」
 よりにもよって、殺人鬼に恋をしてしまったのか…。
 なんという皮肉な運命…。
 それは、精神が不安定にもなるに決まっとるわい…。青春真っ盛りの年頃の娘には、あまりにも酷じゃ。
 最悪の形で恋が裏切られてしまったことが原因なら…、どうすればよいのじゃ?
 どうすれば、ミナミを救える!?
 わしが目を落とすと、鮮やかな青いバラの花が目に付いた。
 わしは、それにゾッとしてつい杖で青いバラの花を弾いておった。
 青いバラの花がいくつも、病室の床を転がる。
 ミナミのスタンド、ブルー・ブルー・ローズ。わしのハーミット・パープルに似て、植物の形じゃが、その力も性質もあまりも恐ろしい、生と死を操るスタンド。
「わしゃぁ…、これほど、バラの花をおぞましいと思ったことはないわい…。」
「…同感だぜ。」
 
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