第一章
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天災少年
ウォーレ=アチェベとアラフーム=クッツェーは今はアチェベの神託でナイジェリアの港町ボニーに来ていた、すると。
二人は街に入るとすぐに大暴れをしているジャガーマンの少年を見た、少年は長い鉄の棒を振りかわし足の格闘と魔術師の術まで使って十数人のならず者達と戦っていた。
その暴れぶりを見てだ、アチェベはクッツェーに話した。
「いや、あれは」
「凄いですね」
「恐ろしく強い」
こう言うのだった。
「まだ十五かその辺りにしても」
「レベルは四十程ですね」
「十五位でそのレベルは」
「滅多にないですね」
「一体何者なのか」
「そこが気になりますね」
冒険者なのかと思った、だが。
その暴れる少年を見てだった、二人の傍にいた鬼族の老人が難しい顔で言った。
「全くあいつは」
「ご老人お知り合いですか」
「知り合いも何もこのオニチャで知らん奴はおらんよ」
今暴れている少年をというのだ。
「あいつはクニオ=テンゴといってな」
「それが彼の名前で」
「親父さんはあいつが赤ん坊の時に離婚してな、女手一つで育てられたが」
老人は少年の身の上のことも話した。
「学校じゃ体育も勉強も一番、今じゃ高校に通いながら魔法戦士として大活躍だよ。十歳から戦っていてな」
「子供の時から」
「とにかく強くてな、街の外に出たモンスターや街のならず者はああしてだよ」
「倒しますか」
「曲がったことはしないさ、だがとにかく暴れん坊でな」
それでというのだ。
「街の天災少年って言われてるんだよ」
「確かに凄い暴れ方ですね」
クッツェーも彼の暴れ方を見て言う、ならず者達を叩きのめし薙ぎ倒し放り投げて周りの店まで破壊している。
「悪人を成敗していても」
「迷惑だろ」
「そんな戦い方ですね」
「曲がったことは嫌い、悪党は許さなくてもな」
「それでもですね」
またアチェベが言った、ガゼルの顔がどうかとなっている。スケルトンであるクッツェーの顔もそうなっている。
「あの戦闘スタイルは」
「戦闘になると周りが見えなくなってな」
「ああして暴れて」
「そしてな」
そうなってというのだ。
「損害も出すからな」
「迷惑なんですね」
「それで天災少年だよ」
そう呼ばれているというのだ。
「これがな」
「大変ですね」
「しかも頭に血がすぐに上って人の話も聞かないからな」
「余計に厄介ですね」
「そんな奴だよ」
その少年を見て言うのだった、確かにならず者達は皆叩きのめしたが店を壊されたオークの店の親父に怒られていた、アチェベはその彼を観つつクッツェーに話した。
「もう少しあれで周りを見て冷静なら」
「完璧ですね」
「ほんまに」
「拙者もそう思いますわ」
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