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タンザニアユニコーン
第四章
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「それでな」
「さっきのことで」
「あんたに聞きたいことがある」
 またフルルが少女に言った。
「あのユニコーンとは何時知り合った」
「半年程前に」
「その時にか」
「はい、湖のほとりで遊んでいますと」
 その時にというのだ。
「巡り合いました」
「それでああしてか」
「友達として時々お話しています」
「そういえばユニコーンは美少女に自然に近寄る」
 フルルはこの世界でも同じであるユニコーンのこの習性を思い出した。
「そういうことか」
「そやった、ついつい皆忘れてたが」
 今回の捜索ではとだ、シャーデーも言った。
「そやったな」
「ムキになって探すよりも」
「美少女に近寄るから」
 もっと言えば清らかな処女だが二人共それはあからさま過ぎるのであえて言わずそのうえで話をしているのだ。
「女の子に協力してもらったらよかったな」
「そやな」
「ユニコーンの群れもいまして」
 少女は捜索においてさらに有力なことについても言及した。
「つがいで七十頭程の」
「そうなんか」
「はい、実は」
「わかったわ、ほなな」
「このことをですか」
「ギルドに伝えるわ」
 こう少女に述べた。
「街に戻ってな」
「そうしてくれますか」
「まだここにユニコーンがおってよかった」
 フルルはまずはこのことをよしとした。
「しかしな」
「七十頭か、まずいな」
 実際にとだ、シャーデーも言った。二人共今は政を行う者として話した。まだタンザニアユニコーンがいることがわかってよしとした、だがだったのだ。
 七十頭、二人はこの数から危惧して言うのだ。
「すぐにな」
「保護してな」
「ちゃんとせなあかんな」
「絶滅させん為に。お嬢ちゃん」
 フルルは少女にあらためて顔を向けて彼女に言った。
「ちょっと協力してくれるか」
「と、いいますと」
「ユニコーンがここからおらん様にせなあかん」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「私にですか」
「助けて欲しい、ええか」
「私に出来ることなら」
 ユニコーンが近寄るだけにだった、少女の性格はいいものだった。そしてだった。
 少女は普通に二人に協力を申し出た、少女に湖に出てもらうとだった。
 すぐにユニコーンが来た、そして少女はユニコーンに二人の考えを話した。そうしてであった。
 ユニコーンもまた少女に話した、すると少女はその後で二人に話した。
「自分達を護ってくれるなら是非とです」
「言うてるんやな」
「そうして欲しいと」
「わかったわ、ほなな」
 フルルも頷いた、そうしてだった。 
 フルルはシャーデーと共に少女を連れて一旦街のギルドに戻ってユニコーンのことを話した、これで依頼は完了して二人は他の冒険者達よりも遥かに多くの報酬を受けた。
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