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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第63話 太陽が曇る時、西風が吹いて空を晴らす
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が正しければヨシュアが向かった先……そこにいる連中はクーデターで戦った特務隊とは訳が違う、今のお前では実力不足だ」
「でも……」
「悪いが話はここまでだ、これ以上お前と話すことはない」
「っ……!」


 エステルは悲しそうな表情を浮かべてこの場から去ってしまった。


「先生!いくら何でもそんな言い方は……!」
「……」


 シェラザードはカシウスにキッと鋭い視線を向けて抗議する。だが彼はそれに答えることなくその場を去った。


「エステル……」


 わたしは去っていく時のエステルの顔に嘗ての自分を思い出してコッソリその場を離れた。



―――――――――

―――――――

―――


「エステル、どこに行ったんだろう?」


 グランセルに出たわたしはエステルを探すが何処にも見当たらない。あの様子だと何をするか分からないし雨も降ってきたから早く見つけないと……


「さっきのお嬢ちゃん、大丈夫かなぁ……?」


 すると何か考え事をしている兵士を見つけた。お嬢ちゃんって言っているしもしかして……


「あの……」
「うん?どうかしたのかい、お嬢さん」
「あなたが言っていたお嬢さんってもしかして栗色の髪をツインテールにした子?」
「おっ、良く分かったな。もしかして知り合いかい?」


 やった、手掛かりを見つけれた。


「その子は何処に行ったの?」
「いや何だか体調が悪そうだったから早く帰って方が良いと言ったんだけど、そうしたら何か思いつめた表情で定期船乗り場に向かったんだ」
「そっか、サンクス」


 わたしは兵士の人にお礼を言うと定期船乗り場に急いで向かった。


「すみません、この定期船ってどこに向かうんですか?」
「ロレント行きだよ。もしかしてお嬢ちゃんもロレントに向かうのかい?さっきも可愛い女の子がロレント行きの飛行船に乗ったんだ」
(エステルだ。でもどうして飛行船に?)


 エステルがなぜ飛行船に乗ったのかは分からない、でもここにいるのは間違いないはずだ。わたしは手続きをしてロレント行きの飛行船に乗り込んだ。


(エステルは……あっ、いた)


 船に乗り込んだわたしは船内にいたエステルを見つけた。


「エステル」
「あら、フィーじゃない。どうしたのこんなところで」
「それはこっちのセリフ。皆に黙って何処に行くの?」
「心配をかけてごめんね、でも急いで家に帰らないといけないの。ヨシュアが待っているから」



 ヨシュアが?でもエステルはさっきヨシュアが何処に行ったかなんて分からないって言っていたよね?


「エステル、さっきはヨシュアが何処に行ったかなんて分からな
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