奇妙な対面
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ラさんの方を見ると、微かに笑われた。
「ほう…、透き通るような青い瞳だ…。扉からの距離ではただ青いとしか思わなかったが、こうして近くで見ると、より鮮やかに見える。」
「あ…どうも…。」
「? どうしたのかね?」
「……目については、あまり良い思い出が無くて…。」
「どうしたんだい? 虐められたとか?」
「…私の父は、外国人です。この通り目だけじゃなく、顔立ちも日本人離れしてたから、よくからかわれて…。どうしてみんなと違うんだろう?って小さい頃はいつも思ってました。」
「そうか…。それは悪いことを聞いてしまったね。」
「いえ、いいんです。綺麗って言ったら、キラさんの声の方がよっぽど綺麗です。」
「私の声がかい? 初めて言われたよ。」
「そうなんですか? とても綺麗だと思いますよ?」
「…そういう君の手も、目と同じぐらい綺麗だと思うがね。」
「私の手がですか? 前にも手紙で書いてましたよね。小猫より私の手?ってツッコみ書いちゃった。」
「私も衝動で書いてしまって、あとで後悔したよ。しかし後の祭りだった。…ガッカリしたかい。こんなおかしな男で。」
「いいえ。チャーミングでいいと思いますよ? 誰だってうっかりとか、好き好みは自由だと思いますし。」
「そうか…、そう、思うのかね。」
「ぁ…。」
クスクス笑ってたら、キラさんが不意に左手に触れてきた。
「…ふむ、少し荒れてるようだね。炊事でもしたのかい?」
「はい。新しい洗剤がちょっと合わなかったみたいで。」
「それはいけない。今度、私が手に優しい洗剤を見繕ってあげよう。」
「いえ、そんな…悪いですよ。」
「いやいや、手は大事にしなければいけない。特に…君のはね。」
「?」
「おっと、すまない。冗談だよ。気にしないでくれたまえ。」
……なんか、不思議な人だなぁ?
「ところで…、ずいぶんと甘い匂いがしているが、ずいぶんたくさん砂糖を入れて飲むようだね?」
「あ、はい。甘くないと飲めなくて…。でもコーヒーそのものは好きなんですよ? キラさんは、ブラック?」
それから、私は、キラさんと日常会話的な感じで話をした。
なんか、不思議だな…。今まで文章でしかやりとりしてなかった人が、今目の前にいて、こうして会話をしている。
緊張は、ほぐれたけど…、なんだろう? この胸の暖かさはようなものは…。ドキドキしている?
その時、キラさんの持っているカバンから着信音。
キラさんが携帯電話を見た。
「おっと…、すまない。急な用事ができてしまったようだ。今日は、とても楽しかった。」
「わ、私もです。」
「ここの代金は私が立替えておくよ。」
「えっ、そんな悪いですよ。」
「いいんだ。私から
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