レッド・ホット・チリ・ペッパー その3
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と…、到着まで20分というところで、港についた私達。
空条さんは、電気のスタンドであるレッド・ホット・チリ・ペッパーが何が何でも海上を航行している船に乗り移ろうとするだろうとみている。
そのために利用する物…、それは、ラジコン飛行機。
たしかに、バイクのバッテリーに取り憑いて潜んでいられるんだから、もっと微量の電量でも可能なんだろう。きっとできる。
仗助と億泰君がボートの準備が終わったと言った、エンジンにもレッド・ホット・チリ・ペッパーがついてないことを確認したのだけれど、空条さんが仗助と広瀬君と私に残れと言い、億泰君と自分が船に行くと言った。
理由は、レッド・ホット・チリ・ペッパーの本体がすでに近くにいる可能性が高いからだからだった。
遠距離でもかなり強いレッド・ホット・チリ・ペッパーが、もし本体の近くにいれば、もっと強くなると踏んでの策だった。
それと、私が持っている、レッド・ホット・チリ・ペッパーから奪った青いバラの花(寿命)を餌にするためだと、私に小さく耳打ちしてきた。
「お前が、地下の電線に向かって『今日には死んじゃうかも知れないよ』と言ったのは、奴には相当堪えたはずだぜ。」
ああいう手合いの悪党は、死ぬことを何よりも恐れるはずだと、空条さんは私の耳元で言った。
そして、私と仗助、そして広瀬君は、残った。
億泰君が、ボートで出発する間際、広瀬君にありがとうっと言っていた。
そして私達は、ラジコン飛行機が飛ばないか周囲を警戒した。
「くっそぉ〜! 承太郎が…、本体を探すためにお前らを残すとは…、しかも『ラジコン』を見抜かれている! クソッ!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
いや、レッド・ホット・チリ・ペッパーの声!?
バチバチと、コンテナの横にあった排水溝からレッド・ホット・チリ・ペッパーがラジコン飛行機を抱えて飛び出てきた。
そしてコンテナの陰から、誰かが出てきた。ギターを持っている。
「空条承太郎。頭の切れる男だ…。やっぱあの男にだけは見つかりたくないぜ……。」
「あんたが…。」
「その通りだぜ、ミナミちゃん。」
その物言いは、完全にレッド・ホット・チリ・ペッパーだ。
ギタリスト? ロックンローラー? そんな派手な姿の若い男だった。
「初めまして、ミナミちゃん。音石明、19歳だ。」
「へえ…、ちょっと年上だったんだ。」
「年上は嫌いかい?」
「嫌いじゃないけど。」
「こら、姉ちゃんに馴れ馴れしくすんな!」
「ほ、本体が出てきたってことは…、つまり…、わざわざ出てきて自己紹介したのは! 僕と仗助君とミナミさんを“完全に殺せる”って確固たる自信があるから!」
わぁお…。
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