蘇る記憶
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だね。』
そこから綴られたのは、自分達は、DIOという吸血鬼との戦いの最中で死んだこと。そして、不思議な力で蘇ったこと。
そして、戦いに勝利し、その後の調べで、私のスタンドの力で蘇ったんだということが分かったことだった。
私は、その時、SPW財団というジョースター家を支援している財団に保護されていたそうだが、私にスタンドを使わせるのはあまりに酷だと判断したそうで、その代わり記憶を消して、家族の元へ返すこと決めたのだそうだ。
たった1年…しか、生きられないことを彼らは知っていたうえで、すべてを受け入れたのだと。
しかし、それでもよかったと笑顔でメッセージを残してくれていた。
世界を支配しようとした絶対的な巨悪に怯えることなく、平和な余生を過ごせることの尊さ。喜び。
そして、最後に……、命をくれてありがとうと、締めくくられた。
そして、ビデオテープは、終わった。
「確かに…、ミナミ、お前の力は、この世でもっとも不平等って嫌悪する気持ちは分かる。俺は、神なんてもんは信じてねぇが、もし神がいるんだとしたら、そいつは、ひとつの奇跡と祝福…だったんじゃないかって、俺は思うぜ。」
私は、ただただ泣いていた。
悲しみなのか、嬉しさなのか、分からない。けれど、億泰君達のお父さんを殺してからの絶望に染まっていた心に染み渡るような、この温かい物なんだろう?
間違っているとか、間違っていないとか分からないし…、私の力の意味も分からない。
けれど、“意味”は…、あったのだろうか?
たった1年という短い余生を、平和に過ごせたビデオテープに映っていた二人と一匹は……、ホントウに救われたのだろうか?
もう、分からないことだけど…。
「……空条さん。ありがとうございます。」
私は、ビデオデッキから出したビデオテープを大切に抱きしめた。
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