虹村兄弟 その2 side:仗助
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生き返ったカラクリも分かる!
「だが…、たったひとつ予想外だったのは…、東方ミナミの意志じゃ操れる代物じゃなかったってことだけだ…! スタンドとは、車やバイクを運転するのと同じなのだ! 能力と根性のないウスラボケは、どんなモンスターマシンに乗ってもビビってしまってみみっちぃ運転するよなぁ! ミナミと、そのスタンドはまさにそれだ!」
この野郎! 知ったような口利きやがって!
姉ちゃんがどれほど、“怖がっている”のかも知らねぇで! その恐怖をなにも知らないくせに!
「う…。」
その時、俺が背負ってた姉ちゃんが目を覚ました。
「姉ちゃん…。」
「ぅ、ぁ……、にげ…て…。おねが…ぃ…。」
姉ちゃんが夢にうなされてるみたいにうわごとのようなことを言いながら、泣いてる。酷く震えてる。
なんだ…? 猛烈に嫌な予感しやがるぜ!
虹村の親父さんが、箱をバタバタと漁っていた。まさか!っと思ってそっちを見たら、天井や床、壁からまるで狙いを取っているように根っこが現れてやがった!
「逃げ…!」
「い……ゃ…、、だ、ダメ…。いやだぁああああああああああああ!!」
姉ちゃんが頭を両手で押さえて、のけぞった。その瞬間、虹村の親父さんを赤い根っこが押しつぶすように襲いかかり、包み込んでしまった。
「は、ハハ、ハハハハハハハハ! ついに、ついに!!」
形兆の野郎が狂ったように泣き笑ってやがった。
「親父…。」
ぼう然として見ていることしか出来なかった。
やがてドブ水みたいな液体だけが残り、赤い根っこが消えたあとには、一輪の青いバラの花だけが残った……。
俺の背中で、姉ちゃんが声を上げて泣いてた。
「お、親父はよぉ…。なんでかいっつもあそこの箱ん中、意味も無く漁っててよぉ…。」
億泰が泣きながらブツブツと、今までのことを呟いてる。
「箱…。」
俺は、姉ちゃんを床に降ろして、箱に近づいてから、中身をクレイジー・ダイヤモンドで復元した。
すると、一枚の家族写真ができあがった。
「なっ…!?」
「……意味は…あったぜ。」
俺は、写真を座り込んでいる形兆に渡してやった。
大量の汗をかき、やがて形兆は、体を丸めて大声を上げて泣いた。億泰も泣いてた。
「ごめんなさい…。」
康一に背中を摩られている姉ちゃんが、顔を両手で覆ったままそう謝罪する声が聞こえた。
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