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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第17話 優しい人
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りがとう?」
ペコっと会釈を一つして離れていくのを見送って……。見えなくなってから。
「……んー息が詰まるなー……もー……あー……あれ?」
そう言えばここって、シミューレーターの中じゃなくて、ちゃんと実物の木の下。
あれ? ということは私はここに運ばれた訳だ。でも……あ、ヴィータさんかな? あとでごめんなさいって言わないと。
そう言えば、仕事も合間合間に片付けないとなー……ティアが手伝ってくれてるのか、大分減ってはいるけど。
ぬあー……もー、結局誰かに頼りっぱなしだーもー。
……ちゃんと見てなかったんだなぁ。
ティアなら大丈夫、ティアならきっと答えを見つける、ティアならって。
昔というか、ずっと一緒に居たのに、私には分からなくて寄り添う……いや、依存しかしてなかったんだなぁ。
そう言えば、訓練校の時にもあったっけ。偏差値で総合三位位に上がった頃に陰口言われたなー、何だそんな事かっていう反面、
パートナー
(
ティア
)
のプライドを守るために実力を見せて……証明するんだってなったっけ。
あー……まだまだ遠いなぁ。
そんな事考えながら、次の訓練場所へ行こうと立ち上がった瞬間。
「どの面下げて私に声を掛けた?」
遠くからそんな声と共に乾いた音が響いた。
――sideなのは――
今日は教会にも所属していて、はやてちゃんの友人にもあたる騎士カリム。その人からの依頼を持ってシスターさんが1人来るっていうのは聞いてた。
それがカリムさんの秘書を兼ねている人の後輩にあたる人だと言うことを。
だから、1つ依頼を出していた。それは機動六課自慢のFWメンバーと対戦をして頂けませんか、と。
向こうの反応は良かったらしく、依頼を届けたらこっちに来るようにしてくれていて……はやてちゃんからもそっちに向かったよと連絡を受けた。
でもまさか――
「奏!?」
「だ、大丈夫です。元気そうで良かったよアーチェ」
頬を抑えながらゆっくりと立ち上がる奏に対して、手の甲で振り抜く様なビンタをしたシスターアーチェ。
まさか私に挨拶して、その直後に出会った奏に驚いた素振りからビンタするとは思わなかった。
「……高町教導官。申し訳ないですが、対戦の件はなかったことに。アタシは――」
一際強く奏を睨みつけた後に、背中を向けて。
「そんな奴らと、戦いたくないです。それでは」
私に向かって一礼して、その場から離れようとした瞬間。何かを思い出したように奏の方を見て。懐からハンカチを取って。
「突然悪かった。嫌いだけど、それ冷やして顔に当てな」
「……ありがと。気をつけてね」
「……フン」
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