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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第17話 優しい人
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――side響――

 気がつけば、見覚えの有る天井……ではなく、薄暗い場所。
 耳をすませば車が走る音と、誰かが話す声。それは、何かの密談ではなく……。
 
『や、大丈夫だと思うよ。朝ヴィータさんに殴られてたし』

「いえ、あの、それでも、不意打ちで……本当に申し訳ないです」

『心配しすぎだよ。きっと大丈夫だよ。それよりもブリッツの調整内容何だけど――』

 ……シャーリーさんめ、人を何だと思ってるんだ。若干疲れてるような声をしてるが。
 それよりもブリッツって事は……俺が預かってきたデバイスの持ち主さん、もっと言えばスバルのお姉さんか。 

 ゆっくりと体を起こせば、明らかに一回り小さい陸士の上着が掛けられてるのと、ズキズキと鳩尾が痛い。
 そう言えば朝っぱらからしばかれた時もここだったもんなー。あの一瞬でピンポイントで狙える辺り凄いなーなんて考えながら、掛けられた制服のホコリを払って畳んで。
 
「あー……今割って入ってもいい?」

「あ……あ! 本当にすいません!」『あ、おはよう響』

 うわーい、すごく対照的な反応。片や一瞬で顔青くなってるし。
 
「大丈夫。世の中私の分のアイスがねぇってデバイスで殴る上司も居るくらいですし。
 こんな場所でよくわからないのが居れば警戒するし、仕方ないですよ」 
 
「いや、あの……でも」

 とりあえず畳んで制服を手渡しながら、懐からデバイスを取り出して。
 
「これの持ち主さんですよね。どうぞ」 
 
「あ、ありがとうございます。ブリッツを持ってきて下さって……あの、申し訳ないです」

 うーわー……すごく気に病んでらっしゃるー。あ、
 
「そうだ。シャーリーさんから聞いてるんだろうけど改めて。自分は機動六課所属、緋凰響空曹です。
 この度は誤解を招く行動をしてしまい申し訳ございません」  
 
「え、あ、こちらこそ。私は陸士108部隊所属の、ギンガ・ナカジマ陸曹です。
 緋凰空曹、今回の件大変申し訳無――」
 
「同じ階級で、歳もそれほど離れてませんし……タメで話してもいい?」 
 
 謝罪を遮るように割り込むと同時に、手を伸ばして握手の構え。
 こちらにも非は有るし、別に殴られたことだって気にしてない。多分シャーリーさんの声色が若干疲れてた様に聞こえたのは、ずっと謝ってたからだろうし。
 
「いえ……それでは」

「歳は……あぁ、聞くならこちらからか、俺は17です。もう少ししたら18になりますけど」
 
「え? あ、私も同い年……です」

「マジか。なら、尚の事気にしないでくれ。同い年で同階級。違いは空か陸かってだけだし……あ、もしかして魔道士ランクAだったり?」

「はい。……ということは、緋凰
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