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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
幼馴染との契約
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のまま伸びをして、綴は視線を天井のあたりに向けたように見えた。そうして、どうやらそれは錯覚ではなかったらしい。小さく笑みを零したのは、こちらを視認したためだろう。
綴に自分たちの存在が露呈したのなら、こうして潜伏している必要もない。そう自らで結論づけると、通気口の金網を外してから室内に降り立った。少し焦燥したようなキンジとアリアとを控えて、驚嘆に目を見開いた白雪を一瞥する。どうやらすぐに言葉が出ないようだった。
数秒ほど要して、ようやく状況が把握できたらしい。「えっ、みんな……何でここに居るの?」
「彩斗の興味本位から出た話よ。白雪が呼び出された理由が気になったんだってさ」アリアは呆れたように零すと、「変なところでズレてるんだから……」とも付け加えた。
「彩斗──あぁ、君が如月彩斗くんかぁ。先のハイジャック事件で名前は知ってるよ。今年度早々に、随分と大きな事件を手がけてくれて何よりだ。ってことは、そこのピンクの女の子は神崎・H・アリアか。君もお疲れ様だったねぇ。んで、遠山キンジくんだろ? ……何の因果か、成績優秀者ばかりが集まってるけどさ。君たち、現役のSランクと元Sランクだったっけ?」
綴はそう言うと、咽喉を鳴らして笑んだ。
「如月くんは確か、神奈川武偵中の出身だろ? そこの遠山くんとも強襲科でパーティーを組んでて、付いた二つ名が《玲瓏》。……はっ、何で知ってるのか──ってか? あー、ウチらの中にもカブチュー関係の人間が居たのさ。それだけ聞けば納得じゃねぇの? ま、そういうことさ。
でもって、君は非常に穏和で泰然としている性格だ。交友関係は一部のみ良好、その他は可もなく不可もなく──強襲科顧問の蘭豹は、銃と刀剣類の扱いに長けていると評価してるな。
んで、両親とも京都に実家があって、4年前に父親が公務員で殉職……次いで母親が病死か。そんな中で、京都から神奈川、東京まで来たわけか。ご苦労様なこった」
綴の自分に対する知識、情報収集能力に、思わず驚懼した。生徒個々人のことを、どこまで把握しているのか──彼女の気になる人間のみなのか、或いは全生徒なのかは知れない。ただ今の解説を聞く限りは、その正確性と深度に、目を見開かされてしまうばかりでしかなかった。
嘆息する自分を横目に、綴はアリアへと視線を遣る。椅子に腰掛けている綴の目線と、立って視線を返しているアリアの目線との差異は、それほど大したものではなかった。
「ロンドン武偵局では随分と優秀な実績を残してたようだけどさぁ、日本に来てからはどうした? 今年は大した活躍もしないで……あ、武偵殺しに関してはキチンとやってたか。とはいえ4月から如月彩斗とカップルごっこ。ま、やってることは花の女子高生でいいんだけどさぁ……」
「……かっ、カップルじゃ
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