400年の時を超え
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ストに立て掛けてある槍を持ち上げる。
「槍なんか船にあったけか?」
その槍が熱貝が仕込まれた"熱の槍"であることを知らず、自制という言葉を知らぬルフィは"熱の槍"を振り回す。
振る、振る。
振って、振って、振り回す。
その危険性を理解もせずに、好奇心という名の誘惑に負け、無茶苦茶な軌道で熱の槍を振り回す。
「あと、アキト曰く、ルフィが持っているその槍は刺さると燃えるらしいわ」
「うおおおい!そういう大事なことは早めに言ってくれ!」
「今、言ったわ」
「あ、やべ」
熱の槍がメインマストに突き刺さり、メリー号のメインマストに火が広がる。
「おい、ルフィ。何してんだ、手前ェは……?」
「いや、違うんだよ。この槍が勝手に燃えちまってよ」
「だから、その槍は燃えるってロビンが言ってたよな?」
ウソップは眼前の光景に静かに怒りをあらわにし、ルフィへと詰め寄った。
「な、何だよ、ウソップ、俺が悪いって言いたいのか……?だって俺はこの槍が独りでに燃えることを知らなかったんだぜ?」
「そもそも槍を振り回さなければいい話だろうが!」
「こんなことになるなんて知らなかったんだよ、ウソップ……」
「ルフィ、何か弁明はあるか?」
「だから、俺は悪くねェ!」
「……」
ウソップはルフィの余りの言い訳に言葉を失い、放火犯であるルフィは責任追及から逃れようとする。
「そもそもこの槍は何で燃えるんだ?」
「そりゃ、ルフィ、お前……。何でだ?」
「アッハハハ!お前も分かってねェじゃねーか、ウソップ!」
「ええい、笑うなァ!」
「アキト曰く、その槍には熱貝が仕込まれているらしいわ」
「だから、そういう大事なことは早めに言って欲しかったなぁ」
「今、言ったわ」
ああ、ロビンのこの達観した様子はアキトを彷彿とさせるなぁ、とウソップは嘆息し、ルフィへと詰め寄る。
ルフィとウソップが言い争っている間にも、メリー号のメインマストは燃え続ける。
そんな彼らの傍でサンジが必死に火を鎮火させようと奮闘していた。
「おい、アホ共!モタモタしてねェで火を消すのを手伝いやがれ!」
「おい、ウソップ!メリー号が燃えてるぞ!」
「だから、それはお前のせいだって言ってんだろうが!」
「消化ァ!消化ァ!」
「無視するなァ!」
メリー号から煙と火の粉が立ち昇る。
メインマストにこれ以上火が燃え広がらないようにルフィ達は必死に消火作業に取り掛かる。
そんな彼らの慌ただしい様子を楽し気に見詰めながら、ロビンは甲板で眠りこけるゾロの下へと歩み寄る。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ