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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第023話 5日目・2月04日『桜の秘め事と志郎の想い』
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なり、ふとお腹が減っていないはずなのにくぅくぅ鳴っているのに違和感を覚えました。
これって………?




Interlude out──




翌朝、志郎は静かに目を覚ます。
そして昨晩は柄にもなく未だ姿を見せないアサシンに対する恐怖感を覚えてしまって気弱になっていた自身を恥じた。
更に目の前には昨日と同じく可愛いセイバーの寝顔があり頬を少し赤く染めながらも志郎は今日から本格的に頑張らねばと言う気持ちで寒いながらもセイバーを起こさずに布団から出て行った。


時に衛宮志郎は朝がとくに早い。本日はいつも以上に早い。
そして居間はまだ朝焼けもさしてきたばかりなのでものすごく静かである。
だが、台所から聞こえてくるなにかを叩く「トン、トン、トン…」という小気味よい音に屋根の上で警備をしていたアーチャーは心地いいものを感じていた。

「(ふむ………志郎が朝食を作り始めたか。なに、ならば少しは手伝いに行ってやるとしようか。兄の務めだからな)」

アーチャーは本心からそう思っている。兄と名乗れないのは寂しいことだがそれ以外ならやれることはしてやろうという本来の彼のニヒルな性格を知っているならば目を疑う事だろう。
そしてアーチャーは霊体化を解除すると同時にそこに少しして本来は睡眠を取る必要もないサーヴァントの身であるセイバーが起きてきた。
セイバーはいい匂いが居間から漂ってきて志郎が朝食を作っているのだろうと廊下から居間に入る前にアーチャーと遭遇し、

「アーチャー、お早うございます」
「ああ、お早うセイバー」
「居間にはもうシロがいるのですか?」
「君の鼻が間違いでなければな」
「ムッ、なにか含みがある言い方ですね?」
「ふっ………気のせいだよセイバー。さて、それでは桜や藤ねえが来る前に少しは手伝いをしようではないか」
「そうですね」

それで二人は居間へと入った。
だが入ってきた途端、なぜかはわからないが只ならぬ身の危険を感じて本能の赴くままにアーチャーは投影を瞬時にできるであろう態勢に入っていた。
そのただならぬ雰囲気に隣のセイバーは何事かと目を見開いていた。

「ど、どうされたのですか、アーチャー…?」
「………い、いや、なんでもない。なにかしら悪寒を感じてしまったのでね」
「私にはなにも感じられませんでしたが………?」
「そ、そうか。それならば私の気のせい―――ッ!?」

アーチャーは見てしまった。
居間のテーブルの上に置かれているたくさんの豪勢な料理の数々を。
アーチャーがそれで呆気に取られている間に台所からはセイバーが起きてきたことに気づいた志郎がいつもどおりの笑顔で「おはようセイバー、アーチャー」と迎えてくれた。
だが、本来なら笑顔には笑顔で「おはようございます
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