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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第14話 遠くから願う者達
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 ――side響――

「え? 時雨と紗雪休みなのか、珍しい」

「おぉ、優夜はホテル・アグスタの周辺の保険対応に出てる。つっても直接的な被害は無いからすぐ戻れるってさ」

 食堂で朝食を食べてると、珍しく煌が一人でやって来て一緒に飯を食うことに。
 本来なら早朝訓練の時間帯だけど、大事を取って俺は休みに。加えて食事を終えたら朝一で本局へ異動要請を断りに行かないといけないし。
 
 それとなく周囲を見渡して、誰もこちらに意識を向けてないのを確認してから。
 
「……なんかあったんか?」

「多分、紗雪がかなり弱ってたから、やっぱなんかあったんだろ」

 溜息混じりに話す煌の姿を見て、心配になってくる。
 それと同時に、朝からニュースが騒がしい。主に管理局関連の。
 本局の有名所の部隊長様が辞職、管理官が異動を申請、士官学校校長が退職等など。いろいろ起きてるが……。
 
「逆にこれで連絡来てたら不味かったが、連絡来ないってことはまだ元気って捉えていいと思う。昔からそうだろ?」

 パンをちぎって口に放り投げながら煌に視線を向けると、あからさまに怒ってるのが分かる。
 
「おめーみたく、割り切りよくねーよ」

「だって本当の事だろ。これで連絡きてみろ、それこそ不味いし、自分の尾を見られたら不味いって自覚してるんだから連絡は基本的に少なくしてるし。
 ま、それとなく探り入れてみるけど」
 
「……あーぁ。もう少し自由が効いたらねぇ、良かったんだが」

 ……。
 
「……悪い。あと、お前のせいじゃねーよ響。それじゃあ俺は仕事してくるわ。優夜帰ってくるまで大変だしな」

「おう、またな」

「ちゃんと断ってこいよ、じゃあな」

 後ろ手を振りながら行く煌を見送って、こちらも食事の手を進める。
 
 ……しかし本局の動きも妙だな。昨日までは特にそれらしい動きもなかったのに……しかも、今回対象となってる人らは、どいつもこいつも何かしら裏がある人達。
 粛清が始まった? それとも別の派閥の誰かか……無いとは思うが、本局行ったら突然拘束とかされないかね俺は。
 ただでさえ、昨日ティアナやエリオ、キャロから明日絶対話しましょうねってめっちゃ言われてるし、フェイトさんなんか私も行こうか!? とか言い出してたし。負けたんだし異動しないって言っても信用してくれないし……。
 なのはさんが宥めてくれたからなんとかなったけど、あのままだとヤバかった。
 
 しかし、俺に下されたこの異動要請。出処がわからないんだよな。確かに人事を通されているが、この時期にこれは正直ありえない。
 それこそはやてさんから人事へ連絡が行っていたなら説明はつくが、その線も切れたし。
 
 ……鬼が出るか蛇が
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