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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第017話 4日目・2月03日『夢見と朝の出来事』
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――Interlude



………とある男は自身を救ってくれた養父の目指していた正義の味方という理想を引き継ぎずっと目指してきた。
初めての戦いでは自身の信念を貫いて最後まで相棒とともに駆け抜けて………進む道を明確にできた。
それから男は世界へと出て幾度もの戦場に駆けては人を救い続けたくさんの命を助けてきた。
だが、すべては救うことは出来ずにいつもどこかで誰かが零れ落ちてしまう。
だけども男は諦めなかった。
時には助けたものに後ろから刺され、騙され、その身を売られたこともある。
けども決して挫けず、めげずに男は己を貫き通した。
…だけどやはり人の身では限界を感じ始めてとうてい全てを救うというのは絵本の中の夢幻のような過ぎた行いだと悟った時に、しかし諦める事などとうてい許容できるわけもなくとうとう世界にその身を売り渡し男は人を捨て生きた英霊になった。
助けられる範囲が大幅に増えて救える命が増加した男は力に酔っていたのだろう、力を隠すことをすでに脳内で放棄していた。
その行動原理ははすでに人の範疇に収まっていなかった。
感謝されることもあったが同時に畏怖の目で見られることも多くなった。
だが男はただただ救うという行いを狂気のごとく続けていった。
だが、男の最後は案外呆気ないものだった…。
最後には仲間だと思っていた人々に騙し討ちをされ戦争を引き起こした張本人として仕立て上げられて反英雄として絞首台へと連れられて様々な怒号を浴びせられながら処刑された。
けど男は決して人生に後悔はしていなかった。
それでもわずかなりとも不幸な人たちは救えたのだから。
………しかし、そこから男の悪夢は始まった。
英霊となった身はいわば世界の奴隷…世界が破滅に向かえば過去、未来、平行世界と時間・次元という枠は一切関係なく強制的に座から守護者として召喚され破滅への原因となった者達を被害者、加害者関係なくその地のすべてのものを滅ぼし事が終われば座にまた戻される。その一方的な殺戮の繰り返し。
それはもはやすでに男の理想とはかけ離れていた。
だがそれが世界にとっては己を守るという一つの正義に違いなかった。
そして男はついに絶望した。
己が理想を貫くために世界と契約をして英霊にまでなったというのに結果はその想いすらも世界には否定されてしまったのだから。
次第に理想は擦り切れ、想いは磨耗し、守護者としての役割をまるで機械のようにこなすようになり、座内でどうやってこの地獄から抜け出せるのかを延々と考え続ける日々……。
そして男は事ここに至り最悪な事を思いついた。
過去の自身を自分自身で亡き者にできれば歴史は修正されてこの無間地獄の悪夢から解放されるのではないか?と…。
そんな時だった。
目の前に光が溢れてゲートが出現したのは。
男は内心
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