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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第013話 3日目・2月02日『弓兵の正体と魔術の終着点』
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所から零れ落ちたもの…そして半永久的に形を残す異常な投影、何度でも同じ武具を作り出せる………え? は!?」

どうやら凛は気づいたようだな。さすがだ。
だが思い至ったが信じたくないのか、それとも現実を直視したくないのか言葉を濁らせている。
いや、実に愉快だ。
まさかこれほどにあの凛の百面相を見る事ができるとは。本日は実に運がいいかもしれん。
自然と口元が攣り上がってくるのが自覚できる。
そして凛は一度深呼吸をして、

「まさかあんたの使う魔術って“固有結界”!?」
「ご名答。よくぞこの短時間で至ったものだ。そう…本来私が使える魔術はこれ一つだけ。
己の心象世界を外界に写しだす古来より精霊・悪魔の領域を指す人が持つに過ぎた“秩序”(チカラ)
五つの魔法に最も近いといわれる大禁忌と称された魔術における“究極の一”(奥義)
すべての剣を内装する世界…固有結界(リアリティ・マーブル)無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)』…。
こと『剣』にのみ特化した魔術回路。これが私の魔術師としてのあり方だった」

凛はそれでしばし言葉を失っていた。
しばらくして、

「…あんた、よくそんなとんでもない事を事も無げに言うわね? 英霊じゃなくて尚且つ聖杯戦争じゃなかったら今頃は協会に封印指定をかけられているわよ…」
「だから尚更凛には志郎のことを見守ってほしい。“全てを救う正義の味方”という愚かな理想を目指していないとはいえ志郎も私と同じ『剣』にのみ特化した魔術回路…ゆえに魔術の終着点も一緒ということだ。目立った行動は自身を滅ぼす」
「わかったわ。でも私から一ついいかしら?」

私は「なんだ?」と答える前に凛に平手打ちをもらい、続けてガンドを数発浴びせられた。
いきなりなんだ! と反論しようとしたが凛の人をも殺せるのではないかという真剣な眼差しに押し黙った。

「…志郎の前で“正義の味方”を愚かな理想と言うのだけはよしなさい。
生前なにがあったか知らないけど志郎はあなたのことをとても尊敬しているわ。
だからその思いを踏みにじるというなら私は真っ先に令呪で“自害”を命令するからね! わかった!?」
「…ああ、そうだな。気をつけるとしよう」
「当然よ。ただでさえ令呪でその発言は禁止しようとまで思ったんだから!」

本気で凛は怒っているようだ。
まぁそれはしかたがない…。
だがこれだけは言わせてもらわなければいけない。

「…だがな、凛。私は本当にかつて必死に理想を目指していた自身を殺したいと心の底から思っている」
「なんでよ?」
「もう私の過去は夢で見たかね…?」
「えっ? あんたの過去の夢…?」
「その様子だとまだ見ていないようだな。ならば今はもう話すことはなにもない…ではいずれ見
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