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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第011話 3日目・2月02日『共同戦線協定(前編)』
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アインツベルンの敷地は思いの他厳重で侵入すらできませんでした」
「確かに…私も召喚されたときにはアインツベルンの城は強固な結界で守られていることを感じました。キリツグが内部に入り込めたのは運が良かったのでしょう」
「そう…。で、あなたは誤解を解いてイリヤスフィールを救いたいって訳ね?」
「はい。お父さんとも約束しましたから…!」
それで私は握りこぶしを作って気合を入れるポーズをする。
でも、そこではたと私は動きを止めた。
なんていうか、もう自分で言っていて恥ずかしくなってきたから…。
だけどそこでなぜか遠坂さんが爆発した。
そして抱きついてきて押し倒されてしまった。
…それでお茶がこぼれちゃったな、と頭の片隅で感じるくらい。
「あーもー! あんたってほんといい子ね! 普段から優しい子だとは思っていたけどここまでなんて! 魔術師としては少しばかり抜けているけどいいわね!」
「(あわわわわッ!?)」
遠坂さんは私の顔を胸に埋めながら色々騒いでいる。
とうの私は遠坂さんがこんな積極的な性格とは思っていなかった+こんな綺麗な人に抱きしめられているという状況で頭が回っていなかった。
そこにセイバーが大声を上げて、
「シロを離しなさい
魔術師
(
メイガス
)
! いきなりそのような行動は馴れ馴れしいにも程があるでしょう!?」
「いいじゃない? 減るものでもないんだし…」
「減ります!」
「なにがよ?」
「私達が抱きしめる回数がです!」
「セイバーの言う通りね…!」
…えっと、なんだろう?
いつの間にかこの居間は一種の結界のようなものが構築されてきている。
それより遠坂さんはともかく二人はそんなに私を抱きしめて楽しいかな?
…異空間と化しつつある居間でどこまでも純朴な志郎だった。
それから少し時間が経過して、
「それじゃ共同戦線といきましょうか」
キッ!と真面目な顔になって遠坂さんがそう仰った。
先ほどまでの騒ぎがまるで嘘のよう…。
気づいたら先ほどまでの雰囲気もどこへやらとセイバーとキャスターも真剣な顔になっていた。
…どうやら遠坂さんとなにか共感できたものがあったらしい。
いいことだね。
それで返事は当然、「わかりました」と答えておいた。
「うん。それじゃまずはあらためて…私はこの冬木の町を管理している魔術師でセカンドオーナーの遠坂凛よ」
「それじゃ私も習って…名前は衛宮志郎。これからよろしくお願いします、遠坂さん」
「名前の方でいいわ。私も志郎って呼ばせてもらうから」
「えっと、それじゃ凛さん…」
「うん、よろしい。セイバー達もなんて呼んでもいいわよ」
「では、リンと…いい響きをしていますね」
「私はアーチャーのマスターで通させてもらうとするわ
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