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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第010話 3日目・2月02日『弓兵の決断』
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られない…。
だが、最後にこれだけは聞かなければいけない。
これによって私の行動は大きく変わってくる。

「では…最後の質問だ。衛宮志郎、お前が目指しているものはなんだ…?」
「私の目指しているものですか…? 恥ずかしいですけど、最初はお父さんと同じ『全てを救う正義の味方』を目指していました。
でもその考えはすぐにやめました。
そもそも私にそれは目指せないんです。
お父さんは聖杯にまで願おうとして、その思いすらも裏切られてしまいました。
そして『全てを救う正義の味方』を継いでいたはずの人は私を助けた代わりに死んでしまった兄さんの方がきっと似合っていますから。
だから私はせめて『大事な、大切な人達を護れる正義の味方』になりたいと思っているんです」

…もう、それだけ聞ければ十分だ。

「…騒がしくしてしまってすまなかった。凛、私は霊体化して屋根の上で警備でもしていよう。キャスターの結界があるからあまり関係ないがな…」
「ちょ、アーチャー…!?」
「ああ、それと言い忘れたが私も聖杯に叶えてもらうほどの願いはないことは以前に伝えたな? だから凛が衛宮志郎に協力するというならば私も意見に賛同し協力しよう…」

私はそれを伝えて屋根の上まで足を運ばせ夜空に輝く月を見上げた。
…衛宮志郎は切嗣の願いをあえて否定せず、尚且つ借り物ではなく自己の確立した願いを持っている。
そして私の願いはこの世界では潰えたことを自覚し、そして代わりに絶対に護らなければいけない“大事な人”が出来た。
目的無き今、残されしは我が身に与えられた使命『サーヴァント』…この狂った聖杯戦争を終わらすこと。
ゆえに、いざという時にはこの身を犠牲にしてでもマスターである凛ともども“我が妹”を守ってみせよう。
そしてこの世界の“衛宮士郎”となるはずだったものよ…貴様に頭を下げることはしたくはないが、このような奇跡を体現させてくれたことを心より感謝する。


Interlude out──


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