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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第008話 3日目・2月02日『志郎と凛のそれぞれ(後編)』
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するとすぐに後ろから誰かが抱き付いてきた。
何事かと思って抱きついてきた人物を見ると相手は弓道着を着た美綴綾子だった。

「綾子、いきなりなに…? 驚いちゃったよ」
「いや、なに。お前も遠坂からアメを貰っていたからなんだったんだろうと思ってね」
「お前もって…他に誰か貰ったの?」
「ああ。間桐の奴がもらっていたね。当然妹の方な」
「そうなんだ」
「それより志郎ってもしかして遠坂の本性に気づいている口…?」
「本性…?」
「あ、志郎はまだ知らないか。これは失言だったな。ま、気にしないでいいよ。でも気をつけたほうがいいよ。アイツが本性見せる時は容赦ないから」
「ふ〜ん? わかったわ、綾子。それより朝練はいいの?」
「あ、そうだった。もうすぐ予鈴もなるからあたしは戻らせてもらうよ」
「うん、頑張ってね」
「あいよ!」

綾子はとてもいい笑顔をしながら弓道場に戻っていった。
でも、時たまふらついている感じがする。
やっぱりこの結界の影響を少なからず受けているのかな?だとしたら急がなきゃ…。
それともしかしたら今日遠坂さんは仕掛けてくるかもしれない。一応下準備もしておこう。




──Interlude


志郎がそんなことを考えている間、先に校舎の中に入っていった凛はアーチャーに意見を聞いていた。

《それで衛宮志郎はどういった具合だった? 私としては白だと思うんだけど…》
《まだわからないな。私も一応ながらも霊体化状態で殺気を当ててみたが反応は見せていなかった》
《そう…アーチャーの殺気にも反応しないならますます白かも》
《いや、逆の発想も考えた方がいい。一般人が殺気を当てられれば鈍いものでも少しはなにかしら反応する筈だが彼女は“まったく”反応しなかったのだぞ?》
《あ…! 確かに、それだと不自然ね》
《そうだろう? これは今日中に正体を明かした方がいい。サーヴァントは連れていなかったが故意に連れていなかったかもしれない…》
《それじゃ仕掛けるとしたら放課後、か…。まだこの結界は発動はしなさそうだし今のうちってね。それじゃ私は放課後までにどう仕掛けるか考えておくからアーチャーは学校の結界の基点を探しておいて》
《了解した》


Interlude out──



こうして志郎と凛の二人のマスターはそれぞれ思惑を巡らせていった。



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