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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第008話 3日目・2月02日『志郎と凛のそれぞれ(後編)』
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戦争と違いがあることに表面上は鉄仮面を被って隠しているが内面は動揺していた。
新都でのガス災害が起きていないことからしてキャスターは違うものなのかという疑問。
確かに行方不明者は何名かいるがその数は少数にとどまっている。
学校の結界とランサーの登場は予想していた通りの事象だったが、あそこでは途中で介入者が入りそいつはランサーに一度殺されるはず。
そしてこの時点でセイバーはまだ召喚されていなかったはずだというのにランサーは逃がしたという。
最後にやはり重要なのは衛宮志郎という少女だ。
おそらくこの世界では■■はあの志郎という少女を助けたのだろう。
そして彼女は衛宮の名を継いでいるのだから、私と同じく巻き込まれる形でこの戦争に参加するはずだ。
だが、まだ正体は分からない。
まだ私のマスターである遠坂凛が協力者ではないのだからバーサーカーをセイバーと二人だけでいなす事は困難な筈なのに生き残ったという。
彼女は私とは違いまっとうな魔術師の道を進んでいるのか?
ますます訳が分からなくなってくる。
とりあえず現時点でわかることは、

(もう私の記録は当てにはならないということだな。厄介極まりないな…)

アーチャーは思考することを止めて凛に気づかれないようにため息をついた。



Interlude out──



私は学校につくなりやはり張られている結界に思わず吐き気を催した。
でもそれは一瞬だけですぐにいつもどおりに登校した。
だが視線を感じて目だけでその視線の先を追ってみるとそこには遠坂さんが立っていた。
…おそらく令呪の確認をしたいのかな?
でも今、私の令呪はキャスターのおかげでパワーアップした隠蔽魔術でキャスター級の魔術師以外は見えないようになっているから多分大丈夫。
感知もされないというから大丈夫、大丈夫。
だから冷静にいこう。不自然な行動をとった時点で怪しまれるのは明確。

「遠坂さん、お早うございます。今日も早いんですね」
「おはよう衛宮さん。ええ、少しばかり昨日は早く寝てしまって今日は早起きしてしまったのよ」
「そうなんですか」
「ええ。っと、それより衛宮さん、あなたもどこか疲れているようですからこれをあげるわ」

遠坂さんは私の左の手にアメをくれた。
そこでやはり令呪の確認をしたかったのだろうと確信する。

「え? アメ…ですか?」
「そ。暇な時に舐めてちょうだい。少しは気分がよくなると思うから」
「ありがとうございます。でも、なんで私に…?」
「気にしないで。日ごろからお世話になっているからそのお礼と思ってください」
「そうですか。それじゃ素直に受け取っておきます」
「ええ。それじゃ…」

遠坂さんはそれだけいってその場を立ち去って校舎の中に入っていった
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