暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第008話 3日目・2月02日『志郎と凛のそれぞれ(後編)』
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
翌日、朝一で志郎はセイバーに剣の稽古をしてもらっていた。
今日は土曜日だが学校はあるから朝一からやっていて30分くらいだろう。
今まで稽古相手といえば表向きは藤村大河でそれ以外は一人でもくもくと鍛錬と研鑽を積むくらいだったからだ。
竹刀を構えて志郎はセイバーに向けて切嗣に教わった暗殺武術や技法などを練り混ぜながらあらゆる角度から打ち込みに行った。
だが、

「甘い」

ペシッ! とセイバーに竹刀で頭を叩かれて志郎は痛そうに頭をさすっていた。
志郎はやはり小細工はあらゆる戦場を駆けてきたセイバーには効かないと深く痛感した。

「シロ、動きは中々のものでしたね。
身体強化の魔術は使わないところ最初はただ打ち合うだけかと思っていたのですが、まさか打ち込むと同時に平行して足技や自身の体格を利用して私の懐に潜り込んでくるとは思っていませんでした。
ですがその動きは正当なものではありませんね? 見た限りではちらほらと独特の動きも含まれていましたしね」
「いたた……うん、お父さんが死ぬ前までに知りうる知識と戦闘技術はあらかた叩き込まれたの。
銃器の技術や相手をどう自分の有利な状況に持っていくかとかのあらゆる戦略…後、かじった程度だけど交渉術も教わったかな?」

普通にそんな物騒なことを語る志郎にセイバーは少しばかり戦慄を覚えた。
そして性格の表裏がまったく分からなかったキリツグとは違い、純粋にそれを行えるだろう技術を持つ志郎がどれだけとんでもない存在なのかと思い、同時にこんな純粋な志郎に聖杯戦争の下準備とはいえそんなものまで文字通り“叩き込んだ”と言うキリツグに一種の怒りを覚えていた。

(確かに私のキリツグに対しての誤解は解けましたが…恨みますよ、キリツグ?)



その後、何度か打ち合って汗も掻いたので志郎はお風呂に入った後に朝食の準備を開始した。
そしてこれから来るであろう衛宮家の日常風景の象徴である間桐桜と藤村大河の二人にどうやって話を通すか話し合っていた。
服装に関しては、セイバーは白のブラウスに青いジャンパースカートを着ていて清楚なイメージを持っていた。
それとは対照的にキャスターはあまり目立ちたくないのか、やや地味目に正装に似た上下紫の服装を着ていた。それでもやっぱり綺麗なものは綺麗なんだけど。
これで問題はない。
次にどうして二人がこの家にやってきたのかというと、お父さんの知人で頼ってきたのはいいけれど当のお父さんはもうこの世にいないので路頭に迷っていたので私が当分この家にいていいですよ、という話に落ち着いたと説明する予定。
最後に名前だけどこれがやっぱり一番悩んだ。
クラス名をそのまま名乗るわけにもいかず、セイバーは『アーサー』とは別にアルトリアという真の名があるから誤魔化しは効くが…。

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ