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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第006話 2日目・2月01日『教会と狂戦士』
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はたまったものではなく全身が焼け焦げて心臓部が露わになる。
そこに『幻想』という言葉を合図にすでに飛び出していたセイバーが風王結界を解き放って黄金に輝く剣を上段に構えて魔力放出を剣先に集束させ袈裟斬りをしてついにバーサーカーは膝をついた。
セイバーはすぐに私のところまで戻ってきて警戒を解かずにまた風王結界を纏わせて剣を構えている。
キャスターもすぐに魔術行使ができるように手を掲げていた。
だけど当の私はまだ完全に魔力が回復しきっていない状態であんな大技を使ったから魔力不足で少し眩暈を引き起こしているが必死に耐えて立っている。

「すごーい。セイバーの一撃はともかくサーヴァントでもないのにバーサーカーを()()殺しちゃうなんて…おかげで二回も死んじゃったわ」
「「「え…?」」」

姉さんは驚きながらも余裕の表情を崩さずそう言ってきた。
思わず私達の声が重なった。
見ればバーサーカーはすでに先ほど受けた傷が嘘のように全部塞がっていて完全に回復している。

「シロ、いいこと教えてあげるわ。
バーサーカーの真名は十二の試練を成し遂げたギリシャ最大の英雄ヘラクレス。
そしてバーサーカーの宝具は『十二の試練(ゴッドハンド)』。つまり十二回殺さなければ倒せない最凶の怪物なんだから」
「ヘラクレス!?」

私達の中でいち早く声を上げたのはキャスターだった。
それは当然のこと、キャスター−メディア−は一度だけだがヘラクレスとはアルゴー船の逸話で会ったことがあるのだから。

「あら、キャスターの貴女が一番早く反応するなんて…もしかしてヘラクレスと会ったことがあるの?」
「真名を知ろうとする戦略には乗りませんわ。しかし、それでは宝具の意味が正しければ…」
「さすが、わかっているじゃない。そう、バーサーカーはその宝具の恩恵で一度受けた攻撃は二度と通用しないの。だからその体自身が宝具のようなものね」

それがどういう意味かすぐに理解した私とセイバーも少し顔を青くしていた。
七つのクラスで総合パラメーターは多分サーヴァント中で一位に君臨するだろうバーサーカー、そして使役するのがもっとも難しいとされる文字通り怪物を姉さんは完全に制御下に置いているのだから。
それに多分まだ狂化もされていないから恐ろしいことこの上ない。

「でも、シロって面白い魔術を使うのね。まさか投影魔術師だったなんて私驚いちゃった」

私は内心で失敗したと思った。
サーヴァントを一撃で決められれば後はキャスターの魔術で記憶を消せば私の使う魔術は隠せると踏んでいたんだけど、もうさっきの手は通用しない。
はっきりいって手詰まりだ。
だけど姉さんはどこか楽しそうに笑いながら、

「さて…もうお遊びはやめようと思っていたところなんだけど、二回
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