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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第002話 1日目・1月31日『魔女との出会い』
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して志郎が森の中で見つけたのは紫のローブを羽織った血まみれの女性が倒れていた。
志郎は瞬時にこの女性がサーヴァントだと理解した。
そしてその手には歪な形をした短剣が握られていたので解析してみたところその効果に驚いた。
それは触れたものの魔術的効果を初期化してなかったことにしてしまう反則的な宝具。
名を『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』。
おそらく見た目からしてキャスターのサーヴァントだと思ったけど今はそんな悠長なことは後回しにした。

「大丈夫ですか!?」
「……う、あなたは…?」
「私は一応魔術師です」
「!? …そう、結局逃げられないのね…それじゃ可愛らしいお嬢ちゃん、どうせ私のことを殺そうとしているんでしょ? なら一思いにやって頂戴…」

キャスターらしき人物はそれっきり目を瞑って自分の死を待った。
だけど志郎は、

「馬鹿なこと言わないでください! 私は敵じゃないです。だから生きることを諦めないで!」

そして志郎は小さいナイフをポケットの中で投影して自分の指を少し切って、

「さあ飲んでください! 魔術師の血だから少しは回復すると思うから!」
「…なんで、私なんかを助けるのよ? あなたならわかっているんでしょ? 私がどういった存在なのか…」
「ええ。だから尚更です。なんて思われてもいいの、私は目の前で人が死なれるのは嫌だから。それに貴女が私の思っている通りの人なら協力してほしいの」
「…もしかしたら、お嬢ちゃんのことを裏切るかもしれないわよ?」
「それもそうですけど…根拠はないですけどあなたは裏切らないと思います」
「お人よしなのね…。でも、あなたと会う前に私は一人、殺しているのよ。しかもマスターだった人を…それでも信じるというの?」
「はい」

志郎は怖気もせずにそう答えた。すると女性は虚をつかれたような顔をした後、いきなり「フフフ…」と笑い出した。

「やっぱり、甘いと思いますか?」
「ええ。それはもう…でも悪くはないわね。お嬢ちゃんの性格、意外に好きよ」

そんなことを言われて今度は志郎が照れてしまった。
その光景を見て女性は、

「ふふっ、可愛いわねあなた。そうね…自己紹介がまだだったわね。私はキャスターのサーヴァントよ」
「やっぱり…それじゃ私も。私の名前は衛宮志郎っていうの。衛宮でも志郎でもどちらでもいいよ」
「それじゃ志郎様と…なかなかどうして、名前も顔もとても可愛らしい…」

キャスターは顔を赤らめながら志郎を見ていた。

「うっ! それはもういいの。それよりまだ私、兆しはあるんだけどまだ令呪は浮かんできていないから当分は私の血で勘弁してほしいな」
「わかりました。でも、志郎様の血はとても魔力の純度が高いですね。魔術を使わなければ一日は現界
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