外伝〜想定外の起動者〜 後篇
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
エリス嬢が”起動者”に選ばれた理由にも心当たりはあります。」
「え…………」
「…………サンドロッド卿、何故エリスは”起動者”に選ばれたのでしょうか?」
静かな表情で呟いたリアンヌの答えにその場にいる多くの者達が驚いている中エリスは呆け、エリゼは真剣な表情で訊ねた。
「恐らくですが彼女はあの”戦場”にいた人物の中で、誰よりも”力”を欲していたからかと。――――――実際にリアンヌ・サンドロッドやドライケルス皇帝が”騎神”の”起動者”として選ばれた理由は”獅子戦役”――――――いえ、エンド・オブ・ヴァーミリオンに勝てる”力”を心から願ったからでもあります。」
「”力”を…………」
「エ、エリスが”力”を…………!?その…………何かの間違いなのでは…………?」
「……………………いえ、姫様…………恐らくサンドロッド卿の仰る通りだと思います…………」
リアンヌの推測を聞いたリィンが考え込んでいる中アルフィンが戸惑いの表情で指摘したその時、光に包まれてエル・プラドーから降りたエリスが複雑そうな表情で答え
「え…………」
「…………今の話を聞いてどうしてそう思ったのかしら?」
エリスの答えを聞いたアルフィンは呆け、エリゼは真剣な表情で訊ねた。
「…………兄様が道を定めた時から、妹として兄様の背中を護る事が私の務めだと覚悟を決めたのですが…………私は”無力”でした。ユミルが襲撃された時は”蒼の深淵”の謀に気づかず姫様と共に拉致され、兄様達に助けられるまではずっとカレル離宮にユーゲント陛下達と共に幽閉され、内戦で辛い目に遭い続けながらも私の心配もして頂いた兄様に負担をかけてばかりでした。そんな無力な私に対して姉様は若輩でありながらもメンフィル帝国の時代の女帝であられるリフィア皇女殿下の専属侍女長として…………”剣聖”の一人として、クロスベルで起こった”異変”の解決に貢献し、そして私と兄様達がメンフィル・クロスベル連合とエレボニア帝国との戦争勃発前にメンフィル帝国政府の判断でマルーダ城に待機させられた時も…………メンフィル皇家の方々の覚えめでたい姉様はご自身の人脈で、私達に色々と便宜を図る事ができる程の”力”がありますし…………セレーネは伝説上の存在――――――”竜”に秘められる”力”で内戦時は兄様を私と姉様の代わりに支え続けてくれました…………同じ”兄様の妹”として、私だけが無力だったのです…………」
「「エリス…………」」
「エリスお姉様…………」
「「………………………………」」
辛そうな表情で自身に秘めた心を口にしたエリスの話を聞いたリィンとエリゼ、セレーネはそれぞれ辛そうな表情でエリスを見つめ、エリスを誘拐した超本人であるアルティナやエリスとかつての自分が同じである事に気づいたデュバリィはそれぞれ複雑そうな表情で黙り込んでいた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ