『ルイズが召喚したのが、マダツボミだったら?』
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ひょろひょろで、頼りなさそう。
それがルイズの使い魔にたいする最初の印象だった。
細い壺のような顔に小さな黒い両目、体は茎のようにひょろりとしており、両腕部分は大きな葉っぱ、足はもっと細い根っこが2本。
高さは70センチ程度で、足がひょろひょろの根っこであるためか足音がしない。なので後ろをついてきていても分からなくて、何度も振り返って確認した。
図鑑で調べたりもしたが、この植物みたいな生き物ことは何も分からなかった。
だが、召喚した後日、マダツボミだぁ!っと驚いた声を上げたメイドが一人いた。
話を聞くと、シエスタというメイドの故郷の近隣の森に住むという珍しい植物の生き物なのだそうだ。
だが、マダツボミがいる森には近づくなという禁令が出ているそうだ。
理由を聞くと、マダツボミは、二段階成長する特性があるのだが、最後の成長の姿であるウツボットになるため、満月の夜に成長に必要な養分を求めて、他の動物を狩ることを行うらしく、捕まれば生きたまま養分を吸われてミイラにされてしまうと言われているそうだ。
実際に何も知らない賊が森に入ってしまい、満月の夜の後日、ミイラになって見つかったという話があるそうだ。
ルイズは、青ざめ、ついバッとマダツボミを見た。マダツボミは、ボ〜っとつっ立ているだけだった。
そういえば、何を食べるのか思ってたら、その辺に飛んでいたチョウチョを吸い込んで溶かしたりしていた。シエスタのアドバイスで、肉類を持ってくると、口から溶解液を出して溶かしてから飲んでいた。水分補給は、足の根っこでするらしく、水を張ったバケツに足を突っ込んでいた。
ちょっとした誤解でギーシュとトラブルになった際には、青銅で出来たワルキューレをその溶解液で溶かして見せたりしていた。見かけによらず怖い。
さらに土くれのフーケの盗難事件では、土くれのフーケの巨大な土のゴーレムを、口から吐いた種で行動不能に陥らせ、口から吐いた眠り粉でフーケを捕まえた。
そうして経験値を積んだことで、マダツボミは、ウツドンという形態に進化した。
食欲は更に旺盛になり、自分より大きな肉の塊を葉っぱで刻んで残さず食べた。
そして、ある日の満月の夜……、ウツドンが姿を消した。
どこに行ったの?っと探し回ったが見つからず、翌日、ウツボットになって戻ってきた。
しかし一方で、何匹かの使い魔がカラカラのミイラになって見つかり、騒ぎになった。
犯人は分かっていたが…、ルイズは、言い出せなかった……。
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