暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 24
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眼差しを後頭部周辺に感じながらも、上司は我関せずと無言でミートリッテの部屋の扉に手を掛ける。
 そして
 「はあい! お疲れ様でしたわね、皆様!」
 室内に居る筈の面々に、いつも通りの明るい口調と表情を披露した。
 「おお! 戻ったのか」
 「お帰りなさい」
 「お疲れ、プリシラ次期大司教殿」
 無人だった室内にパッと現れた客人達も、一瞬の後ぎこちない笑顔を浮かべて応じる。
 「ふぅん? 結界って、こういう事なのね。興味深い仕掛けだけど……ロザリア様とクロちゃんは寝室にいらっしゃるのかしら?」
 「う、うむ。居るには居るのだが……」
 「あー……今はちょっと、な」
 「? 何かあったの?」
 「ええ、それが……」
 境の内側へ素早く滑り込んで扉を閉めつつ、自分には向けられないプリシラの笑顔を覗いたミートリッテは、チクリと痛む胸を押さえ、

 『お前もつくづく苦労が絶えないヤツだな』

 耳元に突然響いた愛らしい小鳥の鳴き声と、耳奥に直接聴こえた女性の声に驚き、

 「〇#?%△@&’;*〜=☆、!!??」
 
 一音たりとも言葉になっていない奇声を、結界内部の隅々にまで轟かせた。


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