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ある晴れた日に
51部分:妙なる調和その十二
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ここでも微笑んでいる。
「よかったらお茶淹れるけれど」
「紅茶か」
「インドっていえばお茶じゃない」
「ああ」
 インドだけではないがやはりインドといえばそれである。イギリスの植民地時代からこうしたイメージが出来上がっていると言っても過言ではない。
「カレーはやっぱりインドだし」
「そうだよな」
「だから。どうかしら」
 正道の顔を見て問うてきた。
「合うわよ、これが凄く」
「今から淹れるんだよな」
「ええ。皆の分もね」
「いいんじゃないのか?」
 未晴のこの提案に乗る正道だった。
「お茶嫌いな奴もそうそういないだろうしな」
「じゃあ。淹れておくわね」
「いいと思うぜ」
 賛成の言葉が一段レベルアップした。
「それでな」
「わかったわ。それじゃあ」
「お茶も頼むな」
「ええ」
 最後にまた静かに微笑む。正道もその未晴に笑顔を返す。今は二人で微笑み合うことができた。それが変わる時が来ることはまだ想像もしなかった。


妙なる調和   完


                   2008・10・9

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