天才の足跡〜その二〜
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」
「…………お前も大概終わってるな」
「まーな。その分、お前にはまだ救いはあるけどなー」
自分がとっくに手遅れになってることを感じているのか、橘の言葉はやけに軽かった。その分、私に向けての言葉はやけに重く感じた。
「……どこがだ?」
「だって、俺と話せてるじゃないか」
橘はそう言うと、実に腹立つ顔でニヤリと笑った。
「……別に男性恐怖症ではないからな。話すぐらいはできる」
「へぇ……じゃあ、嫌う必要なんてねぇじゃん」
能天気な声が、私の神経を逆撫でした。
「……知らないお前に、とやかく言われる筋合いはない。私はもう行く。自己紹介も終わったしな」
まだ半分くらい残っていたカップをゴミ箱に捨てると、私はそそくさと立ち上がった。
「……まぁ、俺はお前のことを知らないからな……それはおいおいって事で!」
「もう二度と話しかけるな」
「ひでぇ!?」
橘にそう吐き捨てると、私はその場から立ち去った。
……厄介なのと知り合ってしまったと、私はかなり後悔していた。
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