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ある晴れた日に
486部分:歌に生き愛に生きその八
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歌に生き愛に生きその八

「それが私の家の空手よ」
「だったらいいけれど」
「そんな無闇やたらに急所攻撃とかはしないから安心して」
「当たり前だろうがよ」
「いつもやってたら洒落にならねえぞ」
 男ならではの彼等の言葉であった。
「まあとにかくな」
「そっちは今日はスタープラチナなんだな」
 こう女組に対して尋ねるのだった。
「そっちに行くんだよな」
「プリクラ撮りに」
「ええ、そうよ」
「そのつもりだけれど」
 女組もこう男連中に言葉を返した。
「あんた達はやっぱり猛虎堂?」
「そっち行くの」
「ああ、そうだけれどな」
「そのつもりだけれどな」
 今日は見事に別れてしまった。男と女に。
「まあちょっと食ってくるぜ」
「そっちはプリクラの後でカラオケだよな」
「そのつもりだけれど」
 茜が彼等のその問いに答えた。
「それはね」
「音橋いると思うわよ。早いうちに行けばね」
「ああ、それだけれどな」
 佐々が茜の微笑んだ問いに答えてきた。
「今はいないぜ」
「あれっ、いないの」
「ぱたって来なくなったんだよ」
 こう彼女に話すのだった。
「もうな。今じゃ影も形もねえぜ」
「っていうとお店自体に来ないの」
「全然な。嘘みたいに来なくなった」
 茜だけでなく皆に対して話す言葉であった。
「本当だぜ。今は全然来ないんだよ」
「またそりゃえらい変わりようだな」
「っていうか極端ね」
 皆佐々のその話を聞いて言った。
「そこまで変わるなんてな」
「何かあったみたいね」
「そうだな」
 佐々も皆のその言葉を聞いて頷いてそのうえで述べた。
「それが何かはわからねえけれどな」
「気になるな」
 春華はその細い眉を顰めさせていた。
「やっぱよ」
「まあそんなこと言わないで」
「気にしない気にしない」
 咲達が口々にそうした春華に声をかけてきた。
「あいつはあいつでどうにかなっていくしね」
「立ち直ったみたいだしいいじゃない」
「立ち直ったね」
 恵美が今の凛の何気ない言葉にふと眉を動かした。
「立ち直ったの」
「まあそうじゃないの?」
 実は彼女はそれを聞いても目をしばたかせた。彼女は何も考えずに言ったのだ。それで恵美に問われて何が何なのかわかりかねたのだ。
「だってお酒止めたんでしょ?」
「そうなるのかしらね」
「まあそう思うけれど」
 特に考えていなくて言ったので返答に困っていた。
「違ってるかも知れないけれどね」
「とりあえず自棄になってたんじゃないの?」
 奈々瀬が今の凛の言葉に続くようにして述べた。
「何が原因かはわからないわよ、私も」
「自棄ね」
 奈々瀬の言葉を聞いても考えた顔になる恵美だった。
「それかしらね」
「どうせベ
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