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ある晴れた日に
48部分:妙なる調和その九
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「まあコンテストはいいとして」
 既にそれは最初から諦めている感じの江夏先生だった。
「カレーは楽しみにしてるわ」
「それなら是非」
「期待しておいて下さいね」
 話はもうカレーに向かっていた。キャンプではカレーを作って食べる。これはもうどのキャンプでもほぼ決まっていることであった。
「さて、と」
「どうしたの?」
「カレーか」
 正道はここで未晴に応えて言う。
「どんなカレーになるやらな」
「カレー嫌いなの?」
「いや、好きだけれどな」
 カレーが嫌いな人間もあまりいない。これは正道も同じだった。
「それでもな。このクラスだと」
「どんなのができるのか心配とか?」
「まとまり悪いからな」
 自分もその中の一人だからよくわかるのだった。
「俺みたいな奴いるからな」
「別に音橋君は」
「自覚してるさ。自分勝手な人間だからな」
 この言葉は自嘲ではなかった。しっかりとした自己認識に基くものだった。

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