第二章
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「獣使いが入ったら」
「その時は」
「あいつは確かに殺人鬼や」
「これまで老若男女問わず五十人以上を殺してきた」
「それも猟奇的に」
「そうした恐ろしい奴であり」
「獣使いとしてもな」
「かなりのレベルで」
つまり腕も立つというのだ。
「モンスターや獣の使役も得手です」
「そんな奴が入ったか」
「ですから」
それでというのだ。
「警察も冒険者も」
「及び腰か」
「その為依頼の報酬もかなり高いのです」
誰も受けない、あからさまにハイリスクな依頼だからだというのだ。
「そうした理由で。ですが」
「受けるで」
まただった、リョサは事務の者に答えた。
「そうするわ」
「本当に宜しいのですね」
「僕は決めた」
「私もや」
リョサだけでなくピエトリも言った、そしてだった。
依頼を正式に受けた、そのうえで二人でモンテビデオの北にある森その獣使いの殺人鬼がいるという森に向かった。その途中でだった。
ピエトリは怪訝な顔でリョサに尋ねた。二人は森まで冒険をしてモンスターを倒しキャンプもしつつ進んでいて夜の睡眠前のキャンプの中でそうした。
「その殺人鬼はな」
「獣使いのやな」
「そんな酷くて強い奴か」
「趣味は殺人で」
リョサは夕食の鍋をピエトリと共に食べつつ話した、襲い掛かってきた獣の肉と茸、山菜等の鍋である。
「それも相手の目を抉ったり内臓を取り出したりゆっくりとバラバラにする」
「そんな殺し方をか」
「楽しんで行う奴でな」
「老若男女問わず四十人以上殺したっていうな」
「そしてな」
それでというのだ。
「死体を食ったりとかもするし」
「食人鬼でもあるか」
「とにかく外道な振る舞いにはこと欠かん」
「そんな奴か」
「しかも獣使いとしても一流でな」
「それで戦いもするか」
「ほんま最悪な奴や」
「そいつが脱獄したんか」
「悪知恵も働く奴でな、たまたま警察の運がよくて捕まえられてな」
「牢屋に放り込んでおいたんやな」
「死刑囚の牢獄にな、それがな」
苦い顔でだ、リョサは鍋の中の獣の肉を食べつつ話した。鰐の肉である。匂いはあるが鶏肉の様な味で食べやすい。
「頭使ってな、悪い意味で」
「悪知恵やな」
「それを使って」
そうしてというのだ。
「脱獄した、これはな」
「ギルドで事務の人が話した通りやな」
「それでや」
「実際にやな」
「今から僕等が行く密林に逃げ込んで」
「そこに隠れてるんやな」
「しかも絶対にな」
リョサはさらに話した。
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