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逃亡者
第一章

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               逃亡者
 マルコ=リョサとラウル=ピエトリは今はリョサの神託でウルグアイのモンテビデオに来ていた。
 リョサは街に来るとすぐにピエトリに真面目な声で言った。
「ここはや」
「すぐにやな」
「神託を探す為に」
 つまり自分達のやるべきことを果たす為にというのだ。
「ギルドか市役所にな」
「行こうか」
「そうしよか」
「それがええな」
 リョサも真面目だがピエトリも真面目な人間だ、それで彼の言葉に頷いてそのうえで述べた。
「ほな今からな」
「行こうな」
「ああ、まずは素性を隠して」
 旅の冒険者ということにしてというのだ。
「そのうえでな」
「ギルドに行くか」
「そうしよな」
 こう話してだった、リョサはピエトリを連れてそのうえでまずはモンテビデオのギルドに赴いた、そしてある依頼を見てピエトリに話した。
「これがな」
「貴殿の神託っぽいか」
「そう思う」
 ジャガーマンの顔にある強い光を放つ目の光をさらに強くさせてそうしてオークの逞しいダークナイトに話した。
「僕はな」
「そうか、ほな」
「この依頼をやな」
「受けような」
「君はそれでええな」
「貴殿の神託や」
 だからだとだ、ピエトリはリョサに答えた。
「これでな」
「そうか、ほなな」
「受けるな」
「そうしよな」
 二人でこう話してだった、依頼を受けることにしてギルドの事務員に依頼を受けると述べた。だがゴブリンの若い男の事務員はリョサに怪訝な顔で尋ねた。
「あの、いいのですか?」
「この依頼でか」
「はい、この依頼ですが」
 見れば脱獄囚の捜索と逮捕だ、依頼主はモンテビデオ市警だった。
「警察も追っていますが」
「冒険者にもやな」
「賞金首として」
 そのうえでというのだ。
「募集していますが」
「冒険者は誰もか」
「実は市警も及び腰です」
 脱獄囚の捜索と逮捕にというのだ。
「非常に厄介な脱獄囚でして」
「このウルグアイで厄介な囚人というと」
 それならとだ、リョサはウルグアイを治めていた者そして中南米から太平洋と地下世界全体を治める十星連合の星の者の一人として心当たりを述べた。
「デニール=タマシロスか」
「はい、あの連続猟奇殺人鬼の」
「ワーウルフの獣使いやな」
「あいつです、あいつが悪知恵の限りを尽くして」
 そうしてというのだ。
「脱獄したのです」
「そうやったんやな」
「そしてです」
 ギルドの事務員はさらに話した。
「あいつは今はモンテビデオの北の密林に逃げていますが」
「あそこは獣もモンスターも多しな」
 中南米の密林地帯の特徴だ、特にアマゾンは魔窟と呼ばれるまでに凶悪な獣やモンスターが密集している。
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