『ルイズが召喚したのが、マンキーだったら?』
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ルイズは、その猿のような生き物を前に、ムチを手にして構えていた。
相手の猿も細く長い両腕を上げて、爪を出し、鋭い目でこちらを睨んでいる。
ルイズの身体はあちこちボロボロで、顔や手などにひっかき傷があった。
ミス・ヴァリエール…。っと、心配する一人のメイドがいた。
シエスタというメイドだが、彼女は、もうマンキーを手懐けるのはやめた方がいいっと言った。
しかしプライドの高いルイズは諦めない。目の前のマンキーの手にはルーンが刻まれていた。そう、このマンキーという生き物。ルイズの使い魔なのだ。
使い魔に出来たのは、爆発の中心地でぐったり倒れていたからできたことで、ルーンを刻むときの痛みで飛び起きた際に一発顔を引っかかられたものだ。
ルーンを刻まれても、その生来の気性の荒さは、抑えられず、言うことを聞かせるためにこうして苦労しているのである。
シエスタが言うには、マンキーは非常に凶暴で、意味も無く怒ることから単体でも危険だが、群れをなして手頃な獲物を襲うこともあるそうで、そうなったらどうあがいてもなぶり殺しになるしかないと言われているそうだ。
さらに、マンキーは、成長する特性があり、オコリザルという個体になると、目を合せただけで怒って追って来るほど危険らしい。
まあとにかく危ないのにで、マンキーが住む森は完全に立ち入り禁止になっているそうだ。
マンキーは、ルイズだけにとどまらず、目に付いた人間やその使い魔にさえ牙を剥いた。そんなんだから、使い魔をなんとかしろ!っと苦情が来る。
それも含めて、ルイズは、必死だった。マンキー御せるようになろうとした。
身体能力ではまるで話にならず、やがて杖を手に、自分にとって忌々しい爆発の魔法を使って威嚇してみたこともあったが、余計に怒らせただけで、全身引っかかれた。
見える肌、そして引っかかれてボロボロになった服を着ているルイズがフラフラと歩いている姿に、誰も何も言わなかった。同情めいた目を向けられることにルイズは、ギリッと唇を噛んだ。
そんな日々が続き、たまりかねて、どうしてそんなに怒るの? 私が何をしたの?っと問うた。しかしマンキーは、藁の上でふんぞり返るように座ってそっぷを向いた。
そんなある日、シエスタが見かねて故郷にある曾祖父の日記を見たら何か分かるのでは?っと言ってきた。
理由を聞くと、シエスタの曾祖父は、マンキーとオコリザルを飼育していたらしく、手懐けていたらしい。
もしかしたらヒントが得られるかもっと、ルイズは藁にも縋る思いでタルブへ行くことを決めた。
タルブ…っと聞いて、マンキーがピクリッと反応したのをルイズは見た。
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