第一章
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老人とレース
マリア=ロア=パストスとニキータ=ソラノは今はマリアの神託でパラグアイのアスンシオンに来ていた。
街に入るとすぐにだった、マリアもニキータも街のあちこちにある広告を見てそのうえで喫茶店に入って話をした。
砂糖をたっぷりと入れたコーヒーを一口飲んでからだ、マリアはニキータに対してこんなことを言った。
「今この街でレースやるけど」
「街全体を使ってな」
ニキータはオレンジのジュースを飲みつつ応えた。
「そうしてな」
「それね、私としては」
「このレースが神託やとやな」
「思うけどな」
「それやったら参加する?」
ニキータはマリアにあたらめて言った。
「そうする?」
「そうしよかって思ってるけど」
実際にとだ、マリアはニキータに答えた。
「どやろ」
「あんたがそう思うんやったらな」
それならとだ、ニキータはマリアに返した。
「あたしはええよ」
「そうなんやね」
「あんたの神託やから」
そのオレンジジュースを飲みつつ言うのだった。
「そやからな」
「ええんやね」
「そや、ただな」
ニキータはマリアの考えに賛成しつつこうも言った。
「レースってな」
「私達はやね」
「まずあんたはドルイドで」
自然に造詣の深い職業でというのだ。
「あたしは青魔術師」
「レース向きやないね」
「シーフや忍者と比べてな」
「しかもモンスターとかトラップがあっても」
「そういうのにもな」
「向いてないね」
「それでも参加するんやったら」
それならとだ、ニキータはあらためて話した。
「あたしはな」
「ええんやね」
「それで参加する覚悟あるか?」
「私はあるで」
そうだとだ、マリアはニキータに穏やかだが確かな声で答えた。
「参加してそうして」
「優勝やな」
「それを目指そうな」
「そうか、そこまで言うんやったら」
「ニキータさんはね」
「ええで」
ニキータはエルフでありマリアの整った顔に愛嬌のある感じで応えた、こうして二人はレースに参加する為に。
市役所に参加を申し出て願書を書こうと思ったが。
ここで年老いたジャガーマンの黒装束姿の忍者とばったり鉢合わせをした、すると忍者は二人に問うてきた。
「お前さん達もレースに参加するのか」
「はい」
そうだとだ、マリアは忍者に答えた。
「これから」
「お前さん達の職業は何だ」
「ドルイドです」
「青魔術師やで」
マリアもニキータも答えた。
「レース向けの職業かというと」
「違いますね」
「そうだな、ではだ」
それならとだ、忍者は二人に鋭い目で答えた。
「わしも共に行こう」
「ご老人がですか」
「わしは年寄りではない」
マリアに老人と言
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