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人類種の天敵が一年戦争に介入しました
第20話
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通じる?」

 そう言われて、頷いたと思う。

「日本のこと、教えてよ」

 それがリーダーとの出会いで、とりあえず私の命が繋がった瞬間だった。
 ……それは、やっぱり怖かったわ。たぶんあなたが思ってることとは違う怖さね。こんなキチガイ集団のリーダーなんだから、スパイクアーマーのモヒカンか、顔を包帯でぐるぐる巻きにして顔の真ん中に目のマークを描いたスーツの男か、そんな感じだと思うでしょう? でもリーダーはいたって普通の人で……部下達はいつもピリピリしていて酷いときにはいきなり錯乱するのに、そんなイカれた空間で普通でいられるリーダーが何より不気味で底知れなくて怖かった。
 その怖いのか普通なのかよくわからないリーダーが私を呼んだ理由っていうのがまた酷いものでね。リーダーの母親が日系人ということもあって日本に興味があるから、話に付き合ってくれると嬉しい、なんて言うのよ。
 なんていうか、もうね、頭おかしいわよね。……そう思うでしょう!? おかしいわよ、うちのリーダーは!

 ……えへん。ということで、私はリーダーの申し出に一も二もなく飛び付いたんです。……なによ、悪い? あなただって話すわよ、その時になればね! 話している間は殺されないかもしれないでしょ!?
 とりあえず、故郷のことについて話したわ。やっぱり地元が一番詳しいから。それ以外だと、特に四国と九州のことを話したわ。リーダーが知りたがっていたから。シコクとキューシューっていうのはどちらも日本の島よ。なぜ四国と九州を特に知りたがったのかは、ここで暮らしている内にわかるかもしれないわね。
 とにかく死にたくない一心で色々話したけど、どんな物事にも時間制限はあるでしょう? 私も同じ。部下の人がリーダーを呼びに来て、話は終わり。私の人生も終わりかと思ったら、また会おうね、とか言われて。次まで生きていられるんだと思ったら嬉しくて、部屋に帰っても涙が止まらなかったわ。私が無事に帰ってきたことにみんな驚いていたわね。……これは後で知ったんだけど、リーダーは早くから地球連邦政府を倒すと決めていたらしいの。……そう、リリアナは、彼らの言うことを事実だとすれば、リリアナは反地球連邦組織ではなかったの。元々は別の目的のために設立された組織だったんだけど、リーダーが今の方向性に舵を切ったのね。まぁ、元々の目的自体が似たようなもので、やることは変わらなかった、らしいわね。だから組織のやり方はぶれてないの。対象は全殺し、革命は殺してなんぼ。地球連邦政府の軍人だったり職員だったりした私達を生かしておくつもりなんか全くなかったのね。
 だから別れ際のまた会おうねは、ホルマリン標本になってから会おうね、くらいの意味だったらしいのよ! たまたま部下の人達が、リーダーがまた会うって言うならそれまで殺すのは止めてお
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