第五章
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「俺はな」
「ドラゴンに代わってか」
「ドラゴン風情が海を仕切るだと」
守る、ではなかった。ここで悪霊が出した言葉は。
「それは違う」
「お前がっていうんやな」
「そうだ」
インペルにもこう言った。
「この辺りの海は俺の海だったしな」
「お前のか」
「そうだ、だから何としてもだ」
この辺りの海はというのだ。
「俺のものにする、そして俺の存在を知ったからには」
「私等をやな」
「消えてもらう」
「そうか、ほなな」
インペルは悪霊の言葉をここまで聞いた、そして自分達に襲い掛かろうとした悪霊を右手に持っている神具でもある剣マルミアドリーズでだった。
霊体を腹のところで真っ二つにした、すると悪霊は声もなく消え去った。インペルは悪霊が完全に消え去ってから言った。
「それなり以上に強くってもな」
「自分にはやな」
「星のモンに勝てるか」
ルルフォに応えつつ言った。
「そんな筈ないやろ」
「そやな、けどな」
「ドラゴンの目から逃れてたことはやな」
「見事な、真っ当な性根やったらな」
「生きてた頃からな」
「タチの悪い海賊にも悪霊にならんでな」
そうしてというのだ。
「ひとかどの人物になってたやろな」
「そやろな、けどな」
「性根が悪くてな」
それでというのだ。
「こうして成敗されたな」
「そやな、そしてや」
「これでこの海の話は終わったな」
「後はドラゴン達に言ってな」
「それで終わりやな」
こう話してだった、二人は神殿に戻ってそこでドラゴン達にことの次第を話した。するとここでだった。
ドラゴン達は二人にだ、しみじみとした顔で言った。
「まさかこの神殿の真上にいたとか」
「そこにいるとは思わなかった」
「まさに灯台下暗しだな」
こう言うのだった。
「海は見ていたが」
「神殿の中のことはここにいても全てわかるが」
「空となるとな」
「見ていなかった」
「とてもな」
「無念だ」
「まあそれはな」
どうかとだ、インペルはドラゴン達に話した。
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