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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 ーそれぞれの愛情ー
学園一の問題児
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紡ぎ出す。
「しかし最初は驚いたぞ。まさかお前があいつを自ら手元から離すとはな。随分と可愛がっていたのだろ? 他人には興味のない筈のお前が」
『束さんとしてはずっと手元に置いときたかったんだけどね。ただやっくんコミュ障だったから社会見学のつもりで送ったの』
「コミュ障か…。確かに入学時は大変だったぞ。いきなり生徒を3人程泣かしたからな」
『流石はやっくんね! ちーちゃんも彼のこと可愛がっているんでしょ? だってちーちゃんの好きな問題児だしね』
「あぁ、教育のしがいのあるやつだ。あいつの叱っていると自分が教師だと実感できる」
『まぁやっくんはちーちゃんぐらいしか止められないしね。それじゃあまた連絡するわ。じゃーね!』
そう言い残し、束は一方的に電話を切ってしまった。
(さて、私も教室に行くか。そろそろHR((ホームルーム))の時間だな…)
腕時計で現在時を確認し、千冬は自分の教室に戻るのであった。
「席に着け。HR((ホームルーム))を始めるぞ」
いつもと変わらぬ台詞を言いながら千冬は教室の扉を開く。先程までお喋りの声で賑わっていた教室はこの一言で一気に静まり返る。
「よし。全員揃っているな。ではHR((ホームルーム))を始める……いやその前にやることができたな」
そう言って千冬はある生徒の名前を呼ぶ。
「デュノア、お前の隣で爆睡している馬鹿を起こせ。手段は問わん」
クラスの一番後ろの席で絶賛夢の中にいる大和の隣の金髪の少女、シャルロット・デュノアにそう命じた。
「大和、起きて。先生が来たよ」
「zzzzzzz……」
「大和、HR((ホームルーム))始まるよ。起きて」
「んぅ……後三年………」
訳のわからない寝言を叩きながら一向に目覚めない大和に音もなく千冬が接近する。
バシィィイイイインッ!!、と聞いているこっちが痛くなるほどの強烈な拳が大和の脳天にヒットした。
「ッ!? 痛ェェええええええッ!!」
「それではHR((ホームルーム))を始める」
涙目でこちらを睨み付ける大和に目を向けようともせず、千冬は教壇の前で淡々と出席を取っていく。
「さて、何人かは知っているかと思うが来週の頭からクラス対抗戦が始まる」
千冬の言葉に教室が少しざわめき立った。
「ISの実戦的な授業が始まる前に君たちの実力を見るのが目的だ。だがしかし、私はそれ以上にこれはクラス間との交流、そしてクラスの団結を目指し行事だと思っている」
いまさら団結もクソもねェよ、と大和は思ったがここは何も言わず千冬の言葉に耳を傾ける。
「本来ならクラス代表である天田が出場するのが普通なのだがな、生憎このクラスは
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