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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第70話 過去語 三
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まで見破った。
恐らくこの偽ポリ公の目には、“黒髪黒目の”黒華琴葉が、木陰でしゃがみこんでいる様に見えている。
それに、偽ポリ公は私が殺した筈だ。“消滅”の魔法に因って。
しっかりと自分の目で、奴が魔法に呑み込まれていくのも見た。
???相当な魔法の遣い手。
「魔法で幾ら姿を隠しても、私には無駄ですよ」
「……今度こそ、殺す」
「まぁまぁ、落ち着いて下さい。生き返る術があるとは言え、死ぬのは御免です。“魔法遣い”としての貴女が強い事は十分に分かりました。なので、此処で抵抗する貴女を無理矢理連れて行くことは避けたいのですが……」
パッと目の前から偽ポリ公の姿が消える。
そして、偽ポリ公が自分の死角に転移した事に気付いた時には、体を持ち上げられ、布で口を押さえられていた。
「ん゛ンッ……????」
「やれやれ、相当強いクスリを選んだ筈なんですけどね……」
「ンッ……????」
「こら、暴れるな……?? と言っても……もう終わりなんですけどね」
段々と意識が薄れていく。マズイ……此処で寝ちゃだめ……
「ぁ……あ……」
そして、目の前が真っ暗になった。
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